雇用調整給付金、3月末まで延長!給付で若年層にシワ寄せ
緊急事態宣言の期間を見て4月末まで延長も
菅政権は、
雇用維持に協力した企業に対し
雇用調整の原特例措置について、令和3年2月末の期限を3月末で延長する方針を示しました。
新型コロナウィルスの感染拡大と緊急事態宣言の発令で飲食店や小売・卸業が一段と苦境に追い込まれており、
雇用維持への取組を継続する必要があるとの判断です。
4月以降の延長についても、緊急事態宣言の期間などを見極め、検討するとしています。
新たな変異株、医療機関の逼迫で自粛強化
緊急事態宣言は当初、リスクの高い大人数での会食を控える点を強調していましたが、ウィルスの新たな変異株が発見され、医療機関の逼迫が深刻化している点から時短営業、外出自粛へとハードルを強めました。
平成2年7月以降、ようやく経済が回復してきた消費の動きにも影響が出てきており、消費の動きにも悪影響が出てきています。
こうした業種に従事する労働者の雇用状況の悪化も懸念されています。
厚生労働者によると、令和3年1月12日現在、
雇用調整助成金の給付件数はおよそ224万件、金額にして約2兆5,700億円と増加にありまります。
雇用調整金は事業者から前払い、日銭商売には厳しい選択
ただ、
雇用調整助成金給付金には問題点もあり、企業経営者にとって資金繰りの点で使い勝手が悪い部分が有ります。
企業経営者にとっては、従業員に休業手当では日銭商売が多く、払ったことを要件とした後払いの助成金である為、実際に給付されるまでには企業側に持ち出しが発生します。
その為、経営体力のない中小企業や小規模事業者などにとっては申請するハードルが高く、日銭商売と言われる飲食店小売・卸業にとっては売上を元に事業を回している業種であり、利用を見送る企業も少なくありません。
新規従業者の減少ペースは加速
新型コロナウィルスの影響で経済活動が戻らない中で雇用することは新規雇用、新卒採用の抑制につながり、実際、新たな失業者は抑えられているのに対し、新規従業者の減少ペースは加速しています。
令和22年12月の日銀短観では、平成21年度から増加が続き、新卒採用計画は令和3年度に10年ぶりにマイナスに転化しました。
日本では、採用が新卒に偏りすぎであることが指摘されており、雇用数は景気循環によっては大きく変動しません。
新卒採用数は、平成10年度以降、前年比で2桁の減少が7回もあり、これからの新卒採用数の動向が懸念されます。
[2021.01.26更新]