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武田薬品、過去最大の買収に東京本社設立への投資!
リースバックでの資金調達だけで大丈夫か

製薬大手シャイアー社を6.8兆円で買収

武田薬品製薬会社最大手の武田薬品工業は、平成31年1月に大阪・創業地の本社ビル・武田御堂筋ビルなど21件の不動産を売却し、3月期決算で譲渡益約380億円を計上しました。
同社は、アイルランドの製薬大手シャイアー社を約6兆8,000億円で買収しており、不動産資産の売却で債務削減を図るとしています。
売却先は、米国の不動産ファンド・グリーン・オーク・リアルエステートとみられ、売却額は約500億円と推定されています。
売却後には、賃貸契約を締結し、これまで通り本社として引き続き武田薬品工業が継続して使用するリースバック契約となりました。

立地が良ければ資産価値高い不動産

日本では、本社ビルというと多くは管理部門などの部署が多く、直接利益を生むことは少ないものの、本社ビルは一般的には都心部の立地、アクセスも良く資産価値が高いものが多くあります。
武田薬品工業の本社ビルは、大阪でも立地が良く、資産価値も高いため、大型買収により完全な売却でなくリースバックで引き続き事業を継続します。
近年、インターネット通販の急拡大により、高速道路の入出口に近い交通アクセスの良い大型物流センターなども効率的な配送システム投資のため、リースバックに契約を変え、資金を投資へ回す企業も目立っています。

メリットの多いリースバック契約

武田薬品自社ビルか賃貸ビルかは多くの経営者が悩むものであり、日本はこれまで自社本社ビルを保有することは、使用上の制約もなく資産として活用され、担保として金融機関からの融資も信用に繋がり有利とされてきました。
一方、自社ビルの管理や修繕などのコスト負担や、企業の規模が変化すれば柔軟な対応がしにくいなどのデメリットもありました。
その点、リースバック契約であれば、自社ビルなど売却し、資金を調達して毎月賃料を収めることで建物は現状通り利用可能であり、新たな設備投資や新事業算入などへの投資チャンスも膨らんできます。

製薬会社で売上世界9位に

急速に進むグローバル化により、日本企業による過去最大の買収に踏み切った武田薬品工業は、売上高で製薬企業では世界第9位になりました。
買収により、世界で約5万人いる従業員の約9割が外国人となるなど、同社従業員も想像していなかったでしょう。
武田薬品工業は、平成30年3月に東京・日本橋に武田グローバル本社を完成させたものの、この投資とシャイアー社買収など、世界第9位の売上高とはいえ、医薬関連は今後も開発も進み、参入企業も増加する産業であるため、これからの同社の動向が注視されます。


[2019.7.5更新]

     

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