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商工中金、全取引先へ事業の将来性で無担保・無保証融資へ

全融資先を「事業性評価」の適用対象に

商工中金政府系金融機関の商工組合中央金庫(略称:商工中金)は、平成30年に公的融資である危機対応融資について組織的な不正が発覚し、組織・事業の改革を進め、担保や保証人に頼らない事業の将来性から融資する「事業性評価」の適用対象を令和元年度(平成31年4月1日〜令和2年3月31日)に全融資先に広げる考えを示しました。
これは、令和元年5月31日に全国商工会連合会の懇親会において安倍首相が「商工中金は今後、個人保証なしの融資を原則とする」と明言した影響も大きくあります。

日本公庫はすでに10兆円超えの個人保証なしの融資を実行

商工中金と同じ政府系金融機関の日本政策金融公庫(略称:日本公庫)は、すでに10兆円を超える個人保証なしの融資を行っていますが、商工中金が原則個人保証人なし融資を行うことで年間2万件の融資が無保証化される予定です。
さらに、安倍首相は、事業承継においては現経営者と後継者の両者から個人保証をとる二重取りも年間約1万件あるものの、これを原則禁止にする方針です。
商工中金においては、地域金融機関より民業圧迫との非難も招き、業務改革を進めていました。

貸出金を高めに設定、民間金融機関との金利競走から脱出

商工中金「事業性評価」においては、貸出しリスクの見極めが難しくなりますが、貸出金利を高めに設定しやすいことで民間金融機関との金利競争を脱し、成長力ある企業を見極め、融資が可能となります。
「事業性評価」は、平成30年度より本格的に取り組み、これまで対象とした企業は全体の39%でしたが、今後は全融資先に広げ、新規の貸出金の金利は平成31年3月31日までの半年間で1.07%と前年同期から0.07ポイント上昇しています。

資金繰り支援融資、7.5倍に増加

商工中金では、令和元年度より融資とコンサルタントを組み合わせた取り組みを始め、観光産業への参入や、物流会社同士の共同配送など10のテーマを設定し解決策を作り全国展開する方針です。
資金繰りを支援する融資残高も平成31年3月31日現在、3,768億円と前年から約7.5倍に増え、令和4年3月末までには1兆6,000億円に増やす計画です。
商工中金では、赤字を補うだけの融資にならぬよう定期的に審査すると強調しており、変革を遂げようとしている商工中金からの融資が期待されます。


[2019.6.14更新]

     

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