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組織的不正融資発覚の商工中金!生まれ変わって担保・保証人に頼らぬ融資に期待

純利益前期比6割弱減

商工中金経済の大きな変化や災害時など中小企業へ資金を供給する危機対応業務を利用し、政府系金融機関の商工中金(商工組合中央金庫)が組織的に不正な融資を行っていた事件から1年が経ちました。
令和元年5月17日に発表した平成31年3月期決算では、貸出金の減少や低金利などの影響で純利益は前期比58.6%減の154億円と大きく減少しました。
平成30年6月には新体制を発足し、業務改善計画を策定し、社外取締役や若手、女性の活性化を図り中小企業への資金供給や事業承継、M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)など民間が対応を怠ってきた分野に活路を見い出します。

100店中97店で不正融資

商工中金は、商工組合中央金庫法に基づき中小企業協同組合や商工組合、輸出組合など中小企業により組織され、金融の円滑化を目的として設立された特殊法人です。
商工債券の発行も認められており、主な資金となり、他にも組合からの預金や政府の出資金などがあり中小企業への融資を行っています。
平成30年には、組織的な不正融資が発覚し、100店舗中97店が関与していたことが判明、全職員の2割が処分対象となる異常事態となりました。

様々な視点で事業の成長性、将来性を重視した事業性融資

商工中金商工中金の役割は、民間の金融機関が手を出しにくい高いリスクのある中小企業が融資先となり、担保を前提にしたリスクの回避だけでなく、事業の成長・将来性や課題、資金繰りの見通しなど様々な視点から融資を実行する必要があります。
事業評価を基準に融資を実行する事業性融資は、融資先の不足に悩む地銀などに対しても金融庁が取り入れるよう促しています。
担保や保証人に頼らずに長期的な視点で中小企業を見つめることが本来の商工中金のあるべき姿で、事業性融資を掲げることが原点回帰になると考えられます。

スタートアップ向け融資で伸び悩み

平成30年の中期経営計画の重点部分では、融資額が多く投資が限られる中小企業を支援する融資残高が前年度比で7.5倍延び、3,768億円に達しました。
ただ、IT(Information Technology:情報技術)やロボットなど先端技術を扱うスタートアップ向けは伸び悩んでおり、民間から招かれた関根社長はファンドなど外部機関と連携を深め案件を掘り起こすとしています。
商工中金は、平成30年より融資先を東日本大震災など大規模災害の被災企業へ融資を限定しており、融資額は減少する見込みであるものの令和2年3月には元手となる準備金55億円を国庫に返納する予定です。
新しく生まれ変わった商工中金のこれからの中小企業支援が期待されます。


[2019.5.24更新]

     

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