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武田薬品、日本最大の海外M&Aで本社をリースバック!グローバル化の進捗に注目

不動産を売却、売却益は380億円

武田薬品日本の医薬品大手・武田薬品工業は平成31年1月28日、創業の地でもある大阪の道修町の本社、「武田御堂筋ビル」を含む、21件の不動産を売却することを発表しました。
売却するのは「武田御堂筋ビル」ほか、武田と子会社の武田薬品不動産が所有している大阪や東京の不動産の一部で、不動産事業を承継する新会社を設立し、全株式を譲渡する形で売却する方針です。
不動産売却での譲渡益は約380億円に上り、平成31年3月の連結決算で計上する計画です。

本社ビルはリースバックで営業は継続

「武田御堂筋ビル」は、20年間のリースバック契約により、賃貸契約を結んで本社オフィス機能は継続し、従業員の移動などもない計画です。
武田薬品工業の不動産売却は、平成31年1月8日にアイルランドの製薬大手・シャイアーを6兆2,000億円で買収するためで、買収後の準有利子負債が5兆円に膨らむことから、資産の削減のために不動産売却を進める方針です。
武田薬品工業は、今回の不動産売却のほか、最大で約1兆1,000億円規模の資産を売却する計画です。

リースバック、本社機能、従業員も変わらずこれまで通り営業

武田薬品一般の人から見れば「武田御堂筋ビル」はリースバック契約したものの、これまで通り武田薬品工業の本社と変わらず、メディアが報じなければ何も変わらない状況です。
武田薬品工業は、日本企業としてはシャイアー買収で過去最大のM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)となり、売上高でも世界トップ10に入りメディアでも経緯が報じられました。
巨大製薬企業に入った武田薬品工業は、M&Aの効果を確実にする経営手腕が問われており、世界で競争力ある製薬企業になることが期待されています。

新生・武田薬品、グローバル化で世界へ

武田薬品工業は、江戸時代(1781年)に薬の街で知られた大阪・道修町で創業した日本屈指の老舗薬品企業であり、グローバル化が進む中、本社のリースバックで資金を温存し経営統合を進め、海外展開も視野に入れている企業です。
約5兆4,000億円の純利子負債という巨額での買収で財務を改善し、立て直しが図れるのか新生・武田薬品工業が注目されます。


[2019.2.5更新]

     

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