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経産省VS産業投資機構!目的失い信頼崩れた官民ファンド

官民ファンド機構、役員11人中9人が辞任

官民ファンド官民ファンドの産業革新投資機構の田中社長は平成30年12月10日、自身と民間出身の取締役9人が全員辞任し、新規投資を凍結することを発表しました。
残る取締役2人は官庁からの天下り人員で、同機構では本来は成長企業にリスクマネーを供給する試みでしたが、経済産業省の関与を前に限界を露呈する形となりました。
世耕経済産業相は、同社長の会見を受け、自体の混乱を招いたことを謝罪し、両者の収拾に当たる「産業革新投資機構連絡室」を設置したとコメントしたものの、同社長は報酬について、一定の水準を確保して欲しいとの言動は言ったことはないと断言しました。

官民ファンドと政府系金融機関との違いは・・

官民ファンドとは、国や民間企業が資金を出し合い、地域の活性化や海外展開、成長企業の支援など特定の目的の事業に出資し、融資をし、収益を得るのが目的の機関です。
産業革新投資機構では95%が国が出資し、5%が民間出資と官民ファンドというよりは政府ファンドとも言える状況に、国の金融機関である日本政策金融公庫や商工中金などとの分別もあまり明確にされていません。
よって、民間企業がリスクを取りにくい成長が期待される産業へ国が税金を補填し、リスクを補完することで民間の資金の呼び水にしたい考えです。
投資先が軌道に乗れば配当や収益などが分配できるものの、収益が出なければ結果、国民に税金の負担がかかるシステムです。

官民ファンドの本来の目的とは

官民ファンド今回の投資凍結は、経済産業省と産業革新投資機構との報酬規約の問題であり、成長企業を支援する目的とは全くかけ離れたものです。
同機構から見れば、経済産業省から95%の税金が投入するわけであり、苦労して民間企業からの投資支援努力のリスクもなく、高い報酬をもらいながら投資する立場にあり、いわばお気楽な仕事とも言えるでしょう。
現在、産業革新投資機構同様に、14ある官民ファンドのうち6つが損失を抱えおり、同機構の前身であった産業革新機構が「経営難の企業を救う」方針が批判され、成長産業へ投資するのが産業革新投資機構でしたが、結果は得られませんでした。

米国創薬ベンチャーへの投資、経産省・財務省の遅れで断念

ただ、産業革新投資機構は平成30年10月に、国内に米国の先端技術を還元することを目的に創薬ベンチャーへの投資を進めていましたが、経済産業省や財務省などとの協議が進まず断念した経緯もあります。
報酬に見合った成長産業が国内に取り込めるのであれば、十分に還元はされるはずであり、高額の報酬だけを世論の目を気にして対立することは、本来の官民ファンドの意味は全くなくなります。
財政大赤字の日本にとって、血税をを投入し運用することに限界も来ているとも考えられ、財政改革、少子高齢化対策へ予算を配分すべきとも考えられます。


[2018.12.21更新]

     

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