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人口減少が加速「地銀の統合・再編」で赤字解消!
金融庁の思惑は「稼ぐ力」「顧客本位」

日銀、マイナス金利政策で定期預金の利回り引下げ
マイナス金利政策中国地方5県の地銀で定期預金の金利を引き下げる動きが見られます。平成29年8月17日までに8行が引き下げを発表し、適用しました。地銀など金融機関では、日銀のマイナス金利政策が導入された後、貸出金の利回り低下で収益が悪化しています。
このようななか、地銀の収益向上に当てられているのはカードローン事業。銀行カードローンは、無担保で使途の制限もなく最大500〜700万円、金利は最大15%と高止まりしており、地銀にとっては利ざやが確保できる唯一の事業となっています。
改正貸金業法の完全施行で貸金業者は、年収の3分の1までしか貸出せない総量規制がかかり、その代わりに地銀など金融機関がカードローン事業を急拡大させています。


担保・保証とって企業に融資しても利益は出ない
金融庁では、地銀の収益悪化について人口減少が進み金融サービスが供給過多となり地銀は減少すると見ています。地銀は、単に担保や保証のある企業に融資するだけでは利益は出ないとし、取引先への助言で成長を後押しし、資金ニーズを生み出すよう地銀に求めています。
また、地銀の統合・再編については、有効な選択肢と評価する一方、地域で独占的な利益を上げ顧客から高金利をとるような統合・再編は意味がないと釘を刺しています。
実際に、地銀大手のふくおかファイナンシャルグループと長崎の大手、十八銀行の経営統合は、地域シェアが7割となることから公正取引員会より両行の統合を無期限の延期を迫られました。


8年後には本業の融資事業で6割の地銀が赤字
東京証券取引所東京証券取引所に上場する地銀82行の平成29年1月〜6月期決算によると、全体の5割強の46行が減益または赤字となりました。金融庁の試算では、8年後には約6割の地銀が本業の融資事業で赤字になるとしています。
このため、地銀の統合・再編が課題となりますが、公正取引委員会は、金融の寡占化で競争が阻害されることを重視。地銀の統合・再編には、「経営の基盤強化」と「健全な競争環境の維持」が鍵となります。
地域の中小・零細企業へ細やかな対応が期待されるのが地銀の役割であり、この機能が低下すれば資金繰り悪化で廃業に追い込まれ、従業員の雇用や住民への影響は大きく地域経済の衰退に陥ることにもなります。


バブル崩壊後、都市銀行は大変革、次は地銀の番 
日本の都市銀行は、バブル崩壊後に大きく変革しました。三和・東海・東京・三菱銀行は三菱東京UFJ銀行、太陽神戸・三井・住友銀行は三井住友銀行、富士・第一勧業・日本興行銀行はみずほ銀行に統合・再編され3強体制となりました。
ただ、これで銀行再編は終わったわけでなく、地銀や第二地銀、また外資を含めた銀行など金融機関との統合・再編があるかもしれません。
金融庁が推し進める地銀の統合・再編には「地銀の稼ぐ力」と「顧客本位のサービス」、さらにアベノミクスの「貯蓄から投資」へ向け、日本の金融改革をどう進めるのか取り組むべき課題は少なくありません。

[2017.8.22更新]

     

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