老後の生活・医療資金に投資拡大
団塊世代が引退する昨今、日本の高齢化は加速しており、定年退職後は退職金など一時金を利用して有価証券化や不動産投資などに預け老後に備える高齢者が多く見受けられます。
一方、中小企業や小規模事業者、個人経営者にとっては退職金は当てにはならないもので、老後に備え自己資金を維持、調達する必要が迫っています。
住宅ローンなど返済が終わり持家があれば、いざ、医療費など必要資金需要が発生した時に住居を担保に資金を調達するリバースモーゲージが一般的に利用されています。
高齢者の資金調達には持家売却・貸出からリバースモーゲージへ
高齢者にとっての資金調達は、持ち家の場合は一般的に住居を売却したり、貸し出して賃料を得る方法がありますが、いづれもこれまで同様に住居として住み続けることができず、新たな土地での生活にリスクも大きくなります。
リバースモーゲージは、このリスクを回避し、住居者に負担なく住み続けることができるメリットがありますが、対象となる住居はマンションの場合、流動性があると考えられており戸建て住居に限定するケースが多くあります。
また、本人が亡くなった場合には、住居は売却され一括返済することとなります。さらに、金利上昇などによって返済額が増加するリスクも指摘されています。
新たな資金調達:リースバック契約
日本の高齢化を背景にリバースモーゲージにより住居を利用したまま資金調達が可能となりますが、近年、リバースモーゲージに変わるリースバック契約が増加しています。
リースバックは、リバースモーゲージ同様に急な資金需要に対応できる方法で、住居を一旦売却した後、賃貸借契約を結び家賃を払うことでそのまま住居を利用、資金を調達することが可能です。
住居を売却後も数年で所有権を戻すことも
リースバック契約は、投資家など第三者が売却希望者から市場価格の約7〜8割で住居を買取り、売却希望者との間でに2〜3年の賃貸借契約を結びます。売却希望者が退去することや家賃を滞納することがなければ契約期間終了後も再契約は可能です。
また、契約時にオプション契約を締結すれば将来、売却した住居の所有権を元に戻すことが可能なことが一番の特徴です。
日本の高齢化による年金受給額や社会保障の減少不安などを背景にリースバックは広がりを見せ、不動産市場にストック活用時代をもたらす要因となりそうです。
[2017.7.18更新]