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オフィス空室率、主要7都市で「低下・改善」、
東京五輪までの3年間はオフィス大量供給に東京集約か?

新築ビルの供給、解約減少で空室面積は減
オフィス仲介の三鬼商事株式会社は、平成29年4月13日、3月時点の全国主要都市(札幌、仙台、横浜、東京、名古屋、大阪、福岡)のオフィスビル最新市況調査結果を発表しました。
東京ビジネス地区(都心5区:千代田・中央・港・新宿・渋谷)の平均空室率は3.6%と前月から0.1ポイント低下。成約は小規模であったものの、新築ビルの供給や解約の影響が少なかったことで、空室面積は1ケ月で約7,500坪が減少しました。
一方、新築ビルの空室率も19.51%と前月から0.23ポイント低下。新築ビルの3棟がほぼ高稼働で竣工したことや、空室面積を残した大規模ビルが既存ビルに移ったことが空室率低下の要因となりました。

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アベノミクス・円安で人員、オフィス拡大
東京ビジネス地区同様に全国主要都市のオフィス平均空室率も低下傾向で、札幌が3.39%、仙台8.51%、横浜5.27%、名古屋6.1%、大阪4.68%、福岡3.64%と、いづれも前年同月から0.74〜2.54%低下しました。
アベノミクス以降、為替が円安に振れたことにより輸出関連企業などでは収益が改善。企業が人員増加など積極的な動きが強まってきたことで、平成24年を境に企業の経常利益増加とともに空室面積が減少傾向にあることがわかります。
ただ、平成27年半ばをピークに企業収益は円安の修正や、中国経済の失速、英国のEU離脱、米新大統領の政策、北朝鮮の核実験問題など企業の利益水準はまだ高いものの、この先の見通しは決して健全とは限りません。
企業利益の頭打ちで見通しが慎重となり、人員やオフィス拡張が抑えられ、オフィスニーズが減少する懸念も残ります。。


オフィス平均賃料は上昇、新築は低下プ
東京ビジネス地区の3月時点のオフィスビルの平均賃料は、坪当り18,730円。前年同月から4.21%、757円、前月からも0.4%、75円上がり、39ケ月連続で上昇しています。同時期の既存ビルの平均賃料も18,502円と前年同月から4.35%上昇した一方、新築ビルの平均賃料は28,357円と同2.69%低下しました。
平成29年のオフィスビルの新規供給を見ると、過去10年同様に平均的な供給に落ち着きますが、平成30年から東京オリンピック・パラリンピックまでの3年間は過去10年を大きく上回るオフィス供給が見込まれています。
平成15年、24年にも大量供給はありましたが、今回は3年間大量供給が続くことに動向が注視されます。


「地方創生」、経済活性化へ現実味?
全国主要都市をみてもオフィス空室率は低下しており、アベノミクスの掲げる「地方創生」現実に向かっているようにも見えますが、大阪や名古屋では、市場規模が異なります。
過去10年のオフィス供給量は、大阪が年平均で約32,000坪、名古屋は約22,000坪に対し、東京は130,000坪と桁違いです。ただ、平成28年から5年間の新規供給は大阪が年平均7,000坪、名古屋は同6,000坪と減少する見通しです。
平成28年7月のオフィス供給に対し大阪は1.6%、名古屋は3.1%に過ぎず、東京の13.0%に比べ市場は限定的。依然、大量供給は東京特有の問題となりそうです。。

[2017.4.28更新]

     

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