金融機関の貸出実績や取組み姿勢、審査、リスクなど調査
住宅金融支援機構は平成29年2月3日、「民間住宅ローンの貸出動向調査」を発表。この調査は、民間住宅ローンを扱う金融機関330機関に対し、住宅ローンの貸出実績や取組み姿勢、営業戦略、審査、リスク、証券化の動向などに関するアンケートです。
対象となる商品は、フラット35を除く新築住宅の建設・購入、中古住宅の購入、リフォームローンのほか、賃貸住宅やアパートなどの建設・購入に関するローンです。調査時期は平成28年9月1日〜10月30日で都市銀行や信託銀行、地銀、第二地銀、信金、信組、労働金庫などが対象。総回答数は307機関、回収率は93.0%でした。
金利タイプは「変動金利型」が増加
平成27年度の住宅ローン新規貸出額の金利タイプ別の構成比を見ると、「変動金利型」が前回の調査から7.1ポイント増加し61.8%となり「固定金利型」などはほとんど減少しました。ただ、今後重視する金利タイプにおける「全期間固定金型」の割合は、前年度調査との比較で最も増加しました。
住宅ローンを積極化する方策では、「借換案件の増強」が前回調査から5.0%ポント増の59.8%。取扱中の商品では、自宅を担保に金融機関や自治体などから融資を受ける「リバースモーゲージ」が57.0%と最多でした。
新築住宅ローンは減少、中古住宅・リフォームローンが増加
今後重視する商品は、「新築向け」が前回調査から11.1ポイント減少する一方、「中古住宅向け」が5.2%、「リフォームローン」が3.8ポイント増加し前回調査の58.5%から62.3%に拡大しました。
安倍政権の方針として、中古住宅の流通が強く掲げられ、住宅の設計・施行の専門家が劣化状況や欠陥の有無などを診断するインスペクションの本格化や、付加価値のあるリフォーム変革・リノベーション物件の増加など住宅の価値向上を目指し、昨今の空き家問題などが大きな後押しとなりそうです。
ニーズの高まり「リノベーション」
中古住宅を購入し、新築の状態に戻すリフォームや、大規模な工事を行い住宅性能を新築の状態より向上させ価値を高めるリノベーションは、日本にとっては少子高齢化や人口減少、核家族化などの問題でニーズの高まりが予測されます。
さらに、働き方改革で住宅にオフィスペースを設けたり、オフィスビルを住宅用に改修するなど用途の変更が伴うリノベーションうるコンバージョンという新たな言葉も誕生しています。
日本の人口減少が進むなか新たなローンなどの金融商品などが生まれてくるかもしれません。
[2017.2.10更新]