73行中10行が金利引上げ
平成28年12月の住宅ローン金利は、10年固定金利で主要73行中10行が金利を引上げました。平成28年を迎え、住宅ローン金利は毎月のように史上最低金利を更新してきましたが、米大統領選などの影響もありトランプ氏の掲げる政策から金利上昇の可能性が出てきました。
民間金融機関と住宅金融支援機構が提携する全期間固定金利住宅ローン「フラット35」の最低金利推移をみると、平成28年8月の0.90%が過去最低金利となっています。その後、9月以降は1%を超え、12月は1.10%に上昇しています。
三井住友信託・じぶん・ソニー銀行は金利横ばい、イオン銀行は引下げ
12月の民間金融機関の住宅ローン金利をみると、三井住友、三菱東京UFJ、楽天銀行など10行が0.05〜0.1%金利を引上げ,他行はほぼ横ばい状態。このなかで三井住友信託、じぶん、ソニー銀行は金利を据え置き、イオン銀行は金利を引き下げました。住宅ローンの借換や新規住宅ローンの決定に時間を取られそうです。
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変動金利は7年変動なし
フラット35や民間金融機関の固定住宅ローン金利推移は来年以降、トランプ新大統領の影響により金利上昇の可能性もあります。
一方、変動型の住宅ローン金利は固定金利に比べ全く違う動きをみせています。民間金融機関の変動金利の推移をみると平成21年以降、金利は2.4%台を維持したままです。昨今の低金利時代では真っ先に下がりそうな変動金利が実質、固定化されている状態です。これは金融機関が企業向け融資に使う金利「短期プライムレート」が変動していないためで、レートは各行が独自に決めており平成28年2月の日銀のマイナス金利政策導入後も変動なく、変動型住宅ローン金利も固定化されているようです。
米国、固定住宅ローン金利:4.18%
米国の新大統領選で予想外のトランプ氏が勝利して以降、米国の30年固定金利住宅ローンの平均金利は50bp(ベーシスポイント)上昇し、平成28年11月23日には4.18%に上昇しました。過去の平均金利に比べ、まだ低いものの平成27年6月以来の高さです。
金利が上昇すれば株式投資市場は冷え込み、金利が下がると市場に資金が流入するという現在の日本市場が見本となっている状況。金融機関や電力、ガス、不動産業など金利の影響を受けやすいため、平成29年以降の金利推移が注視されます。