「預ければ損」ゼロ金利政策
日銀は平成28年2月16日、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部の金利をマイナス0.1%とするマイナス金利政策を導入しました。「預ければ損をする」という異例の政策により、日銀は金融機関の融資や投資を促します。
マイナス金利政策公表によって市中金融機関には衝撃が走ったものの、政策金利残高のみがマイナス金利の対象となることが判明し、実体経済に影響はないとしています
借り手にはチャンス
長期金利がマイナスになると、長期金利に連動して金利が設定されている住宅ローンの固定金利(固定10年、固定20年、フラット35など)商品の金利もさらに低下しました。
住宅ローンをはじめ、教育ローンやマイカーローンなど借り手にとっては歓迎すべき状況です。
一方,金融機関では安全性の高い債券を中心に投資するMMF(マネーマネジメントファンド:Money Management Fund)の新規受け付け停止に追い込まれるなど、正反対の状況になっています。
住宅ローン金利が低下
平成28年2月月末に公表されたメガバンクの住宅ローン固定金利は、10年固定で0.8%〜0.9%、20年固定でも1.6%前後に低下しました。住宅金融公庫が支援するフラット35の金利も最低水準である1.2%前後の数値が各金融機関から公表されました。
こちらも史上初であり、各金融機関は住宅ローン商品だけでなく、展開している金融商品全般の見直しを余儀なくされる事態になっています。
住宅ローンの契約につながらない実態
実体経済は逆にマイナス成長に突入する事態となっています。たとえば住宅ローン金利を引き下げても、実質賃金の低下や住宅価格の高騰のため新規ローンには結びついていないと言われます。
新築・中古マンションの価格は上昇しており、首都圏では都心から1時間超の郊外エリアでの中古マンションおよび戸建価格は概ね横ばい推移が続いており、住宅ローンにつながるか懸念されます。
[2016.3.31更新]