2ケ月ぶりに1.7%増
国土交通省が平成28年1月25日に発表した27年11月の新設住宅着工戸数は、前年同月比1・7%増の7万9697戸で、2ヵ月ぶりに増加へ転じました。持ち家は7ケ月連続でプラス、貸家が2ケ月ぶり、分譲住宅が3ケ月ぶりにそれぞれ増加。同省では,平成26年4月の消費増税の反動減の影響を脱し、「全体として持ち直しの傾向が続いている」とみています。
住宅着工数:GDPの目安に
新設住宅着工戸数の増減は、建設や建材といった関連企業や、住宅購入に伴い買い替えニーズが発生する家具や家電、自動車などの消費にも多大な影響を及ぼすため、GDP(国内総生産)を上下させる要因にもなります。
住宅の売れ行きは、国民の購買意欲として表れるので、景気の先行きを読むひとつの目安とされています。
マンション販売は34%減と前年割れ
一方、不動産経済研究所によると、平成27年12月の首都圏の新築マンション販売戸戸数は前年同月から34.1%減少し6,189戸。契約率も好不調の目安となる70%を下回る64.8%と低調です。
一戸当たりの新築マンション販売価格は,前年比8.7%増の5,467万円。1平米当たりの単価は同7.3%上昇し5.2万円となっています。
国交省:マンション販売「くい打ち問題の影響はみられない」>
国土交通省では,分譲マンション販売減少の理由を,「大型物件の着工がなかったためで、くい打ち問題の影響はみられない」と分析しています。
ただ、新設住宅着工全体では、夏場に7〜16%の増加率を記録していたのに比べ減速感が出ています。同省では「持ち直している」とみていますがや円安,人件費高騰,くい打ち問題なども否定できません。
[2016.1.27更新]