着工戸数、7ケ月連続前年超え
国土交通省が平成27年10月30日発表した9月の新設住宅着工戸数は、前年同月比2.6%増の7万7,872戸となり、7ケ月連続で前年同月を超えました。持ち家もプラスに転じ、省エネポイントなどの効果もあり持ち直しがみられましたが、同ポイントは10月下旬に予算が達成したため受付中止となりました。同省では,10月以降の住宅市場への「影響は限定的」とみています。
着工戸数は景気の先行きを読む目安
新設住宅とは,届け出のあった住宅工事のうち新築,増改築により「戸」が新たに増加した工事が対象。住宅の売れ行きは、国民の購買意欲として捉えられるので、景気の先行きを読むひとつの目安とされています。
住宅着工の大幅な増減は,建設や建材などの関連企業や、住宅購入に伴い買い替えニーズが見込まれる家具や家電,自動車などの消費にも多大な影響を及ぶため,GDP(Gross Domestic Product:国民総生産)を上下させる要因となります。
投資用や節税でアパートなど貸家が増加
国土交通省が同時に発表した平成27年度上半期(4月〜9月)の新設住宅着工戸数は、前年同期比6.9%増の47万1,845戸と2年ぶりにプラスに転じました。平成25年4月の消費税増税に伴う駆け込みニーズの反動が和らぎ、投資用や節税対策などでアパートなど貸家が増加しました。
平成27年度上半期の住宅着工戸数は、駆け込みニーズで盛り上がった平成25年度上半期の49万戸以来の水準となりました。上半期としては2年ぶりのプラスに転じました。
貸家が全体を牽引
平成27年度上半期の住宅着工戸数の内訳をみると、貸家が前年同期比10.8%増の19万5,950戸と全体を押し上げ、分譲住宅は同6.2%増の12万4,893戸、注文住宅など持ち家は同3.5%増の14万8,339戸となりました。
住宅などを調査する建設経済研究所と経済調査会は、住宅着工戸数の推移について,平成27年度は前年度比1.8%増14兆8200億円、の92万2,700戸、平成28年度は同4.3%増の96万2,600戸となる見込みと発表。民間住宅投資についても平成27年度は、同6.5%増の15兆7,800億円と、住宅着工,投資に改善がみられます。
[2015.11.12更新]