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オフィス空室率5ケ月連続低下、6年11ケ月ぶりの低水準

東京都心5区で改善が鮮明に
オフィス仲介の三鬼商事によると、平成27年9月末時点の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィスビル空室率は、前月末比0.19%低下し4.53%と、5ケ月連続で低下しています。空室率の低下傾向は続いており平成20年10月の4.30%以来6年11ケ月ぶりの低水準にあります。


空室率は、オフィス賃料上昇の目安とされる5%を割り込み、好況を背景に好立地・高機能の大型ビルを奪い合う構図が鮮明となりました。企業の合併やオフィス拡張の動きは今後も続く予測です。


オフィス賃料は上昇
一方,オフィス空室率改善を受け、オフィス平均賃料も上昇傾向にあります。東京都心5区のオフィス平均賃料は3.3平方メートル当たり1万7,594円と前月末から0.59%上昇。上昇は、21ケ月連続で、平成22年11月以来、4年10ケ月ぶりの高水準でした。
オフィス賃料上昇を牽引しているのは、1フロアの面積が広く取れるオフィス。複数階に分散した社員の集約によるコミュニケーションの改善や席を固定しないフリーアドレスなど新しいワークスタイルの導入などが企業への新たなニーズとなっています。


既存ビルは苦戦も
ただ、オフィス賃料の上昇が実現しているのは立地やスペックに優れたオフィスに限られます。テナントを引き抜かれる立場の既存ビルの賃料は、改善が進んでいないのが実態です。
既存ビルのオフィス空室率は、築浅ビルと呼ばれる「築1〜10年」で2%前後と改善がみられるものの、「築11〜20年」では、これまでの最大の低下幅を記録しています。対照的に「築21〜30年」では過去1年で最も下げ幅が小さく,「築11〜20年」で品薄感が強まれば、築年数が経過したビルへのニーズが広がる可能性もあります。


消費税再増税で賃料の上昇は縮小
平成27年は、東京都心5区でオフィスの新規供給が平年より少ないため,オフィス空室率の低下,賃料の上昇傾向は続くと見られます。また、平成28年から32年にかけては、空室率は約4.5%で推移するとみられますが、賃料は消費税再増税を背景に上昇幅は縮小すると予測されます。

[2015.10.13更新]

     

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