基礎控除の縮小、「知っている」は26%
相続税の基礎控除は平成27年1月1日以降、基礎控除が縮小されます。弁護士や司法書士向けの総合情報サービスを行う日本法規情報が平成25年12月から26年1月にかけておこなった相続に関するアンケート調査(有効回答数1,630人)によると、相続税改正について「知らなかった」と回答した人は63%。一方,具体的な改正内容を「知っていた」と人は26%にとどまりました。
改正後は、課税対象となる相続財産額は大幅に引き下げられ,これまで相続税を払わなくていい人も申告と納税の義務が課せられる可能性が大幅に増えます。
基礎控除:8,000万円が4,800万円に課税縮小
現行法では、基礎控除額は「5,000万円+1,000万円x法定相続人の人数」となりますが、平成27年1月1日以降は、「3,000万円+600万円x法定相続人の人数」に縮小されます。仮に相続人が配偶者と子ども2人の場合,これまでは8,000万円を超えなければ贈族税はかかりませんでしたが、改正後は4,800万円を超えると課税対象となります。
相続遺産が数千万円と他人事にも聞こえますが,都内に不動産を所有する場合には十分可能性のある数字。不動産のほか、有価証券など金融資産があれば課税対象となる人は大半と予測されます。
3大都市圏の地価は5年ぶりに上昇
不動産市場では、アベノミクスと東京五輪開催決定で活況を生み出し、平成25年の不動産関連指標は軒並み好転。土地取引件数は9年ぶりに増加し120万件。都道府県地価調査では3大都市圏の地価は5年ぶりに上昇。特に東京圏商業地の基準地価の上昇地点は443となり前年の約11倍に急増しました。
平成25年後半からは,相続税の基礎控除縮小に伴いアパート建設やタワーマンション購入などの動きも見られ,相続増税まで1年を切りこの流れも継続される見通しです。
相続財産額の構成比、土地が45.9%とトップ
国税庁によると、平成24年の相続税の課税対象者は約5万2,000人。相続財産額の構成比では土地が45.9%と最も多く,現金・預貯金が25.4%、有価証券が12.3%と続きます。課税対象となる相続人数も上昇傾向にあります。