中古市場・リフォーム市場倍増実現へ、新システム構築
国土交通省は,平成25年6月に閣議決定した「日本再興戦略」において、平成32年に中古住宅・リフォーム市場の規模倍増を実現のため、新たな不動産システムを平成27年度に試験稼働する方針を示しました。平成26年3月にまとめる検討会を踏まえ、平成26年度から原型となるモデルのシステムづくりに着手します。
同省では現在、学識者のほか不動産流通経営協会や不動産流通近代化センター、東日本不動産流通機構が参加し基本構想を検討。実装データを想定し試作版を設計。平成30年度をめどに本格稼働を目指します。
独自のデータベース:住宅の修繕履歴情報が見れないケースも
不動産取引に必要な情報は現在,国や自治体、民間企業ほか、国土交通相が指定する不動産流通機構運営のレインズ(Real Estate Information Network System)があります。消費者から依頼を受け中古住宅を探す事業者にとって、様々なサイトを探す手間だけでなく、会員限定サイトもあり、住宅の修繕経歴など重要な情報が存在しないケースもみられます。
国土交通省では、このような情報の不透明性を解消し、事業者が情報を効率的に取得できる「不動産関係情報ストックシステム」の検討を平成25年にスタートしました。住宅の性能や品質,履歴、価格など市場に分散した情報を集約します。
国土交通省:不動産流通システム改革のため5つの柱
(1)消費者にとって必要な情報の整備・提供(住宅性能や終戦履歴などをの情報をを整備)
(2)不動産価格の透明性の向上(建築評価手法の見直しと金融機関など取引関係車への普及)
(3)先進的な不動産物流ビジネスモデルの育成・支援と成功事例の普及
(4)宅地建物取引業者及び取引主任者・従業者の教育制度の向上
(5)住み替え支援など多様な手段による既存ストックの流動化の促進
消費者ニーズへ適格な対応や不動産業者のコンサルティング機能の向上などの施策により、不動産流通システムを構築するとしています。
人口、年収とも減少、中古住宅ニーズに高まり
日本の総人口は、平成22年の1億2,800万人をピークに減少傾向にあり、半世紀後には約8,600万人にまで減少する見通しです。住宅1次取得者層の30〜40代の人口も今後,さらに減少。非正規雇用率は上昇し平均年収は減少するなか,新築にこだわらない中古住宅の購入ニーズも高まり始めています。
国土交通省では,レインズや自治体データ、電気などの生活インフラ情報などを透明化し新たな情報システムを提供。円滑で明確な中古住宅流通の促進を目指します。
[2014.2.5更新]