IT総合戦略本部:規制緩和の一環
政府は平成25年12月20日、IT総合戦略本部で規制緩和の一環として、不動産取引での重要事項説明をネットや電話を使ってできることを行動計画に盛り込みました。重要事項説明は現在、宅地建物取引主任者が取引者に対し対面で行うごとが義務づけられていますがこれを見直し、対面以外でも行えるよう国土交通省に提言しました。併せて、37条書面(契約内容記載書面)の電子化によるメール交付など可能性も検討するとしています。
国土交通省では、具体的な手法や課題への対応策に関する検討に着手。平成26年6月に中間とりまとめを行い、同年内中に結論を得て必要な策を講じる予定です。
重要事項説明とは・・
不動産取引における重要事項説明は、宅地建物取引業法で定められ、宅地建物取引主任者が説明しなければならず、その際には宅地建物取引主任者証(免許)の提示も義務づけられています。
重要事項説明は、契約前に聞く必要があり、宅地建物取引主任者の記名、押印後に書面交付されます。重要事項説明書には、土地や建物の名義や権利など登記簿に記載された事項のほか、用途地域名や建ぺい率などの法令に基づく制限。私道に関する負担や上下水道、電気、がス、排水設備などの現状や整備状況が記載。また、契約の解除に関する事項や手付金、ローンの斡旋事項など細かく記されます。
宅建主任者になりすましの違法行為も
ネットでの重要事項説明は、IT利活用のすそ野拡大を目的に策定され規制制度改革集中アクションプラン案として盛り込まれましたが、実質的な簡素化に繋がる可能性もあります。また、宅地建物取引主任者になりすます違法行為をどう防ぐか実現に向けて課題も残ります。
規制制度改革集中アクションプラン案ではこのほか、登記所がほかの登記所の管轄にある登記情報についても、情報を共有化。添付書類の省略を検討、実施するようシステム開発を行い平成26年度中に運用を開始するとしています。
国交省:不動産流通システムを抜本改革、不動産取引の透明化にネット利用も
国土交通省の住宅政策によると、住宅は「量」の確保から「質」の向上を追求する時代に転嫁。耐震化やエコ住宅などの整備を進めるとともに不動産取引透明化に向け不動産流通システムの抜本改革を図るとしています。消費者に必要な住宅の情報を整備・提供するほか、築年数を基準とした価格査定手法の見直しなど実施し、不動産流通市場を活性化。平成32年には、中古住宅流通市場・リフォーム市場の規模を倍増すると日本再生戦略に盛り込まれました。
検索大手のヤフーは、平成26年1月から不動産サイトから情報を受け掲載していたシステムを地域の不動産会社と直接契約。月額1万円で不動産の情報が提供可能と、消費者向けのネットサービスは急速に進みます。
[2013.12.27更新]