東京湾岸エリア、交通インフラ整備で利便性の高い街へ
平成25年9月8日、オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まったこと事により、選手村や競技施設が集まる東京の湾岸エリアではマンション価格の上昇が予測されます。33の競技施設のうち28会場は東京・晴海の選手村から半径8km以内とコンパクト設計。施設間の移動には新たな交通のインフラが整備され、より利便性の高い地域となります。
湾岸エリアでは、すでにマンション建設が相次ぎ、東日本大震災によるり一時は下落傾向にあったものの、被災地優先の建設資材の値上げや建設人員不足による人件費高騰から価格はすでに上昇傾向です。
すでにマンション価格は10%上昇、リーマンショック前の高水準
平成25年7月の首都圏マンション発売戸数は、約5,300戸と同月としてはリーマンショック前の平成19年以来の高水準。東京都区部の供給戸数も倍増し、平均価格は5,128万円と前年同月から10%上昇しています。
オリンピック開催が決まり、さらに周辺のマンション開発は進み被災地、オリンピック優先の建設の影響によりマンション価格上昇は首都圏全体にも広がる可能性もあります。オリンピック開催の高揚感と建設ラッシュによる景気回復期待の牽引は、地震の被害リスクを薄れさせ湾岸バブルを予測する見方が広がります。
競技場前の土地入札:東京五輪を確信、2番手の倍近くの価格で取得
江東区有明地区では、20ヘクタールの都有地に4競技の会場が建設されます。この北側にある3.6ヘクタールの土地の入札が平成25年8月30日、都市再生機構により実施。落札した大和ハウス工業の価格は421億円と2番手の230億円に比べ突出。オリピック開催を確信した入札となりました。マンション建設となれば特等席のバルコニーから競技を見ることもでき、投資目的の購入なども考えられます。
有明地区に建設予定の競技場はいづれも仮設。オリンピック終了後には、土地は売却されさらに同地区の開発が予測されます。これまでたなざらしになっていた有明地区の開発が一気に動き出し、東京都では同地区の人口を、現在の7,000人から3万8,000人に増加と見込んでいます。
前回の東京五輪では人口増で不動産価格急上昇、今回は少子高齢化に直面
昭和39年に開催された東京オリンピックでは、人口増と建設ラッシュにより不動産価格は急上昇。高度経済成長の追い風に乗りマイホームブームで大量の住宅が供給されてきました。しかし、30年後にはバブル崩壊を経験し、土地神話は崩れ景気低迷。不動産価格も失われた20年で年々下落。少子高齢化に直面し、新たな産業による成長がなければ湾岸バブルによるマンション価格の上昇も持続できるか予測はつきません。
平成32年の東京オリンピックまで7年。交通のインフラだけでなく防災面でも水道管やガス管などライフラインの強化や地震による液状化など課題も残ります。国内外から東京に注目が集まるなか、新たな先進都市の見本としての街づくりが期待されます。
[2013.9.13更新]