中企庁、親族内・第三者承継支援を強化!鍵は地方企業のM&Aか
中小企業庁、「事業承継・引き継ぎ支援センター」を開設
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、令和2年の企業の休廃業件数は5万件弱と過去最高になるなど、中小企業の
事業承継は深刻な課題となっています。
経済産業省中小企業庁では、令和3年4月1日より
事業承継、引き継ぎのワンストップ支援を行う「
事業承継・引き継ぎ支援センター」を開設しました。
親族内承継やM&Aを活用した第三者承継など幅広い相談に柔軟に対応するとしています。
第三者承継支援・親族内承継支援を統合
背景には、中小企業経営者の高齢化や後継者不在の深刻な実態に加え、新型コロナウィルス感染拡大の影響で休廃業件数が過去最高となれば、今後、一層の
事業承継・引き継ぎを進める必要があるとの考えからです。
中小企業庁では、令和2年6月の産業競争力強化法の改正に伴い、従来行っていた第三者承継支援や親族内承継支援を行っていた
事業承継ネットワークの機能を統合し、各都道府県に「
事業承継・引き継ぎ支援センター」を開設し、活動を開始しました。
同庁では、後継者不在で悩む中小企業経営者へ積極的に活用してもらいたいとしています。
▼中小企業超:
「事業承継・引継ぎ支援センター連絡先一覧」
事業承継に関する支援内容は
「
事業承継・引き継ぎ支援センター」が行う支援内容としては、
事業承継・引継ぎに関する相談や、
事業承継診断による課題の解析、
事業承継計画の策定、M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)によるマッチング支援、経営者保証解除に向けた支援などが挙げられています。
特にM&Aは、地方において雇用確保の要でもあり、地方経済活性化において必要不可欠で、後継者不足の課題を解決する1つの方法で、同業他社や新規参入社がM&Aで事業を承継すれば基本的に雇用や取引先との関係も継承されます。
大都市中心のM&Aから地方中心のM&Aへ
今後、地方において
事業承継にM&Aが増加していく事が予測され、国も令和2年に中小企業M&Aガイドラインを策定したり、令和3年度税制改正でM&A後に簿外債務などが発見されるリスクに備えるため、税制上の措置を導入するなどM&Aを後押しする施策を打ち出しています。
これまでM&Aは、大都市圏に所在する大企業が主な対象で、M&Aに関する弁護士や法務・税務の専門家も大都市に集中していましたが、今後は、専門家が地方へ出向くシステムを構築していく事が
事業承継の鍵となりそうです。
[2021.04.02更新]