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税制改革で
介護報酬改定で全サービスが値上げ!
税制改革で介護報酬改定で全サービスが値上げ!コロナ感染症対策を強化か
介護費、全体で0.7%上乗せ
厚生労働省は令和3年1月18日、4月に
介護保険サービス(
介護報酬)の新たな料金体系を発表しました。
利用者負担を目安として、9月までの半年間は新型コロナウィルス感染症への対策として基本料をさらに0.1%上乗せするとしています。
介護費全体を見ると0.7%引き上げとなり、
介護費の伸びを得る見直しは乏しく、持続性への懸念は強まっており、少子高齢化のツケが徐々に国民に回ってきています。
同省では1月18日の社会保障審議会の
介護給付費分科会で示されました。
介護職の報酬は低い?
一般的に
介護職員の報酬は、仕事量の割に比較的安い賃金とみなされ、厚生労働省では
介護職員への処遇改善につながるよう
介護事業者の経営基盤を強化する方針です。
主な基本サービスでは、訪問
介護は1回10円の値上げとなり、20分未満の身体
介護中心の場合には1,660円から1,670円にするとしています。
また、デイサービスは1回100円値上げし、要
介護2の高齢者が通常規模の施設を7〜8時間利用した場合には7,650円から7,730円に値上げすることになりました。
介護総費用は11年で3倍に
実際にデイサービスや
介護ホームなど利用者が負担するのは原則1割であり、基本料に加え、専門職などによるケアに対する評価を上乗せされることになります。
介護の総費用は、令和2年度で12兆4,000億円とこの制度を創設した平成22年度の3兆6,000億円から3倍以上に膨んでおり、今後も増加する傾向が懸念されます。
今年の税制改定では抑制力は厳しく、利用者の負担が増加になる介護サービス計画作成の有料化や一定以上の所得があり、料金の2割以上を負担する対象者の拡大など給付と負担の見直しは先送りされます。
少子高齢化、日本の政策は30数年失策に
介護報酬は、国が決める介護保険サービス料金体系であり、3年に1度改定されています。
介護事業者にとっては各サービスの収入の単価となる介護費の半分程度を国と地方の税金、4割強を高齢者と現役世代、1割弱を利用者の自己負担で賄っている保険料となります。
介護報酬を0.7%引き上げることで、
介護費全体を約800億円程度押し上げる効果があり、利用者の負担は増加しますが、
介護事業者には収入増にもつながります。
ただ、日本は高齢化が先進国の中でも進んでおり、少子高齢化対策を怠ってきた国の政策にも問題があると考えられます。
[2021.01.22更新]