農業支援ファンド、出資規制を緩和!和牛や6次化産業にも対象を拡大
農業法人他、食品加工業や流通業にも適用対象に
菅政権は令和2年11月末に農林水産物や食品の輸出拡大戦略をまとめ、海外輸出量を増やすため、
農業支援ファンドに関する
規制を
緩和し、投資の対象を広げる方針を示しました。
現在の
農業支援ファンドは、農業生産法人だけが対象となっていますが、食品加工業や流通業なども対象とし、輸出に必要な設備投資を後押しします。
令和3年1月招集の通常国会にて、関連法の改正案を提出する予定です。
輸出額、目標の1億円に届かず
平成元年の輸出額は、9,121億円と過去最高を更新しましたが、目標である1億円には届かず、令和7年には2兆円、12年には5兆円の目標を掲げます。
農業法人への投資円滑化特別措置法の改正を通じ、海外向け作物の拡大に、一時的な収入減や設備投資額など資金面での課題を抱える事業者の参入を促す考えです。
設備投資などの資金ニーズに融資とファンドの違いは・・・
農業は日本にとって重要な産業であり、利益率を上げたり農地を広げたり、新たな作物を試したり、6次産業化に取り組んだりしています。
そのためには、設備投資など資金が必要となり、自己資金が不足であれば金融機関から融資を受けることになりますが、返済への措置期間はあるものの債務となり返済義務が生じます。
そこで検討されるのがファンドであり「出資を受ける」という選択で、株式会社であれば株式を発行して投資家に売ることで資金を得ることが可能となります。
IT活用の農業技術事業者、輸出業者も対象に
投資円滑化特別措置法は、これまで投資対象を農業法人に限っていましたが、法改正によって水産業や食品加工業、流通業、林業なども対象となります。
また、IT(Information Technology:情報技術)を活用したスマート農業の技術を開発する企業や輸出業者なども対象に加え、生産から加工、流通、海外での販売まで幅広いフードチェーンに資金を提供できるようにします。
農林水産省によると、国内の農業法人は平成31年3月末現在で2万3,400あり、家族経営からスタートした例も多く、天候や相場により収益が不安定なため、自己資本の蓄積が進みにくいのが現状で、同措置法の改正で今後、資金を調達し、日本の農林水産物がより多く海外へ輸出できるか期待されます。
[2021.01.15更新]