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休廃業・解散」が急上昇!資金繰りの確保を
企業の「休廃業・解散」が急上昇!年末に向け資金繰りの確保を
「休廃業・解散」は増加、「倒産」は減少
東京商工リサーチは令和2年11月26日、今年1月〜10月に全国で「
休廃業・解散」した企業件数が4万3,802件と、前年同期から21.5%増加し、平成30年の年間件数4万3,348件を超えたことを発表しました。
同社では、平成12年の調査開始以来、過去最多だった平成29年の4万6,724件を、10ケ月で大幅に上回るペースとなっています。
新型コロナウィルス感染拡大で、菅政権や全国自治体では相次ぎ資金繰り支援を打ち出し、同期間の「
倒産」件数では同4.4%減少し6,646件となっています。
「休廃業・解散企業」と「倒産」の違いは
「
休廃業・解散企業」は、債務超過ではなく、資産超過状態であり、経営者が自主的に判断した事業停止にあたり、特に近年は中小企業や小規模事業者の「
休廃業・解散企業」が増加傾向にあり、経営者の高齢化や後継者不足に加え、新型コロナウィルス感染拡大の影響が大きな要因となっています。
一方、「
倒産」は、資金不足などにより事業を継続していくことができなくなる状態になることで、銀行など金融機関との取引を停止され、事業継続が困難となる状態を指します。
「休廃業・解散企業」、業種別では飲食業が前年から9.5%増加
令和2年1月〜10月に全国で「
休廃業・解散」した企業4万3,802件を産業別でみると、サービス業が1万3,655件と全体の構成比31.2%を占め最多となっています。
次いで建設業が7,452件、小売業が5,474件、製造業が4,793件と続いており、産業を細分化した業種別では、飲食店が前年同期から9.5%増加し1,489件、飲食料品小売業も同8.4%増の1,256件と大幅に増加しています。
両業種共に、年末にかけ稼ぎどきの時期のため、新たな時短営業の要請などが懸念されます。
給付金や協力金、融資など利用できるものは申請を
サービス業にとっては厳しい時期となり、菅政権による雇用や家賃を補助する給付金や協力金。さらに政府系、民間金融機関からの無担保・無利子融資での資金調達など、活用できるものは申請することが重要となります。
経済産業省中小企業庁でも令和2年11月20日、新型コロナウィルス感染に関わるセーフティネット保証4号の指定期間を3ケ月延長し、令和3年3月1日まで伸ばすことを決めました。
各々の省庁や地域の自治体など、支援策などが打ち出されていますのでウェブサイトなどをこまめにチェックすることが重要です。
[2020.12.01更新]