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コロナ禍で経営の判断迫る事業売却が総額5兆円に!前年同期の5倍

上場企業、事業・子会社を投資ファンドへ売却

事業売却新型コロナウィルスの影響によって、上場企業が中核事業や子会社を投資ファンドなどに売却する動きが活発になっています。
令和2年9月までに行われた事業売却の合計額は前年同期から約5倍に上り、約5兆円超えと新型コロナウィルスの影響が出て経営環境を大きく変化させており、成長分野に投資を集中しないと親会社と子会社が共倒れにしかねないことへ危機感を持っています。
新型コロナウィルスが上場企業に決断を迫っている状況です。

M&Aで売却件数は急増

M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)調査会社のレコフによると、令和2年1月〜9月の売却件数は294件、金額は5兆1,645億円と金額の急増だけでなく、件数も前年同期から14.8%増と平成9年以来11年ぶりのハイペースとなりました。
令和2年8月には、武田薬品工業と大衆薬子会社買収で合意した米投資会社のブラックストーン・グループが日本企業投資部門が同子会社について事業基盤は強いものの、投資が行き届かず売上鈍化を招いたと指摘しています。
新たな株主として「ヒト・モノ・カネ」に投資し成長を実現すると強調しています。

武田薬品、事業売却金でアジア進出

事業売却武田薬品工業は、約2,400億円の売却資金で中核する事業である癌や消化器系疾患などに経営資源を集中し、子会社側は課題であった中国や台湾への海外進出を加速させる方針です。
一方、ファンド関係者によると、新型コロナウィルスの影響で不運もあり判断が遅れた点は否めないとしたサンデンホールディングスは、令和元年10月に子会社のサンデン・リテールシステムを投資ファンドに約500億円で売却し、財務を改善、自動車の電動化への投資を加速させようとしています。

子会社でもコロナ禍でリスケ申請

ただ、サンデン・リテールシステムにとっても新型コロナウィルスの影響が直撃し、令和2年6月に私的整理手続きに入り、借入金の返済をリスケジュール(条件変更)し、金融機関と再建手続きを進めているのが現状です。
対照的に、ファンド傘下の子会社は、意思決定が格段と早くなり、利益の使い道も広がったとし、将来的な上場など視野に入れ、売却されたことを機に飛躍を目指しています。
菅政権では、中小企業の再編、を推進しており、これからの政策にどう活かすか注視されます。


[2020.10.27更新]

     

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