大企業の景況感が1年ぶりにプラス!中小企業への恩恵は?
大企業はプラス。中堅・中小企業は未だマイナス
内閣府と財務省が令和2年9月11日発表した7月〜9月期の法人企業景気予測調査によると、大企業の全産業で
景況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)がプラス2.0と1年ぶりにプラスの転じました。
新型コロナウィルスの感染拡大により過去2番目に低水準であった4月〜6月期から回復しましたが、中堅・中小企業はマイナスが継続しています。
同調査は、資本金1千万年以上の約1万4,000社を対象に調査され、自社の景況が前の四半期から「上昇」と答えた企業から「下降」の割合を差し引いた値となっています。
先行きの景況感も大企業で微増
7月〜9月期の大企業の製造業はプラス0.1で、非製造業はプラス2.9となり、業種別では鉄鋼業がマイナス25.4、労働者派遣業がマイナス16.7と
景況感の悪化が続いています。
この先の全産業の10月〜12月期ではプラス2.9、令和3年1月〜3月期はプラス2.4と見通しのつかない
新型コロナウィルスの影響により楽観する企業は多くありません。
大企業の景況感プラスに中小企業には恩恵が未だ受けられず
一方、中堅企業の全産業でではマイナス8.1、中小企業はマイナス25.8と大企業の全産業のプラスの恩恵はまだ受けておらず、内閣府、財務省でもこの先の見通しは大企業では「上昇」とするものの、中堅・中小企業はいずれも「下降」で推移すると予測しています。
これは設備投資額も現れており、前年度比で大企業と中堅・中小企業の約8,000社において設備投資を集計したところ、製造業は4.5%減、非製造業ではマイナス8.1%減となっています。
業種別で見ると、汎用機械器具製造業が15.3%減少し、生産用機械器具製造業も14.4%減となり、娯楽業などサービス業でも17.05%減と大幅なマイナスが目立ちました。
在宅業務、フレックス制度が拡充
国内では
新型コロナウィルスの感染や大規模な自然災害のリスクに備へ、全産業で見ると大企業ではインターネット上での会議や打ち合わせの導入、拡充が進むなど重要度が最も高く、ついでフレックスタイム制など勤務体制の見直しが行われ、情報システムなどへの投資など重要度が高くなっています。
一方で、中堅企業でもインターネット上での会議や在宅勤務が拡充され、中小企業では資金調達手段の確保や災害保険の加入などの重要度が最も多くなりました。
国でも相次ぎ、企業向けの助成金や補助金など打ち出していますので最大限に活用してもらえるよう期待されます。
[2020.9.18更新]