全産業の売上高、30年ぶりに低水準!自動車や飲食、宿泊業など急減
法人企業統計、大企業だけでなく中小企業も売上高が減少
財務省は令和2年9月1日、資本金1千万円以上の約3万社を対象とした4〜6月期の法人企業統計を発表し、新型コロナウィルスの影響を受け国の緊急事態宣言で経済活動が滞ったため、上場企業だけでなく、中小企業も含めた全産業の
売上高が大きく落ち込んだことを公表しました。
売上高は、前年同期から17.7%減の284兆6,769億円となり、減少幅はリーマン・ショック後の平成21年1〜3月期に次ぐ過去2番目の大きさとなりました。
売上高で見ても平成元年1〜3月期以来の低さとなり、30年前の水準に逆戻りしました。
自動車や飲食、宿泊業、3ケ月で売上高3割減
飲食、宿泊などサービス業は、前年同期比から31.8%と急減しており、財務省では店舗の休業や外出自粛が響いたと判断し、自動車を中心とする輸送用機械も世界的な低迷で37.2%減と大きく落ち込みました。
また、規模の小さな企業ほど利益が減少する傾向にあり、資本金1千万〜1億円の中小企業では、79.6%の減益となり、元々低い
売上高経常利益率は1.1%まで低下しました。
安倍政権の経済、金融対策で持ち直せるか
令和2年4月〜6月の法人企業統計は、約3万社を対象にしていますが、国内中小企業数は約380万社弱で、小規模事業者も含んでおり、実態の
売上高減少企業数は調査数を上回ると予測されます。
深刻な減収に見舞われた企業へ、安倍政権では様々な新型コロナの影響による経済、金融対策を相次ぎ打ち出していますが、実体社数は判明できないのが現状です。
ただ、多くの企業で資金を金融機関から確保した様子もうかがえ、短期借入金においては前年同期から20.8%多い181兆6,389億円に増加しています。
7〜9月期の売上高は回復?
経済有識者や経済調査企業では、この先の7〜9月期の業績は、あらゆる規制が緩和されており、持ち直しに向かうとしていますが、伸び幅はあまり期待できないとの見通しです。
国内の新型コロナウィルス感染者は、第2波のピークが過ぎたとの指摘もありますが、第3波が来るのか、これで収束に向かうのかは誰にも分かりません。
第2波感染拡大により4〜6月期の最悪期は脱したと見られますが消費回復に足踏みも見られ、7月以降の消費支出や規制緩和、ウィルス感染者縮小の動向がどうなるか注視されます。
[2020.9.8更新]