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金融庁、中小企業金融円滑化法終了後も企業への対応はこれまで通り!
実態は不良債権処理額増、貸倒引当金積み増し

金融庁:金融業界へ「企業の年末の資金需要、援助を要請」
リースバック:CRIコンサルタンツ金融庁は11月27日、金融業界の代表者らを招き、「中小企業などの金融の円滑化に関する意見交換会」を開催。中塚金融相は年末の資金需要を迎え「より一層の配慮をお願いしたい」と金融業界側へ要請しました。
企業にとって年末の資金繰りは非常に重要であり、特に日本の法人9割を超える中小企業は全国に約420万社あり、全雇用の7割を占めています。同相は、中小企業が日本経済の基盤と位置づけ、金融業界に対し中小企業などへの資金面の援助について要請しました。


全国銀行協会:円滑化法終了後も真摯に対応
これを受け、全国銀行協会や全国地方銀行協会、第二地方銀行業界など各団体のトップも、顧客が不安を持たない金融に努め、中小企業への円滑な資金供給を支援すると述べられました。
一方、来年3月末で期限切れとなる中小企業金融円滑化法に関し中塚金融相は、期限切れとなった後も「検査・監督方針は何ら変わらない」と再度協調。中小企業で懸念される貸し渋りや貸し剥がしへの対応を今まで通り猶予できるよう金融機関に求め、全国銀行協会でも企業の資金需要を支えることが使命で、同法終了後も真摯に対応するとしています。


実態は景気後退で政府は緊急経済対策、政治空白で予算は予備費だけ
金融機関では、これまでの猶予など同様の対応では自らも首を占める結果となるため、企業の再建へ向けたコンサルティングなど「出口戦略」を強化するとしていますが、実態は机上論に過ぎないとの現場の声も上がります。
全国信用金庫協会では、国内の景気は今年夏までは復興需要で一進一退であったものの、ここにきて後退と分析。政府も10月に景気の後退局面を認め、緊急の経済対策を打ち出しますが、政治空白で補正予算を編成できず、予算は予備費の1兆円強。火に油を注ぐようなものでした。


現場では貸倒金積み増しが拡大
全国の地銀では、今年4月〜9月期に処理した不良債権処理にかかった額が、前年同期の700億円から1,100億円となったことが判明。中小企業金融円滑化法の終了を前に中小企業などへの貸出しに対する貸倒引当金を積み増す動きが拡大しています。
同法を利用し中小企業が申請した金融機関の8割は全国の地銀、信金で、財務上の準備として第一に貸倒金積み増しが行われます。金融庁が示す「これまで通り」と、実態の金融機関での現場の格差は小さくはないようです。

[2012.11.29更新]

     

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