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月例経済報告「
景気悪化」削除でも厳しい状況!
月例経済報告「景気悪化」削除でも厳しい状況!経済対策を活用し現状を脱出
経済活動は再開しだし、国内景気は「下げ止まりつつある」
安倍政権は、令和2年6月19日にまとめた6月の
月例経済報告で国内景気を「下げ止まりつつある」との認識を示し、経済活動が再開し出し、国内ニーズに改善の動きが見られると示しました。
ただ、海外の経済や雇用は欧米諸国などで不透明感が強く、日本経済は極めて厳しい状況にあるとの見方は維持されました。
令和2年4月、5月に示された「急速に悪化」との表現は取り消され、景気判断を上方修正しました。
景気の現状、先行きをまとめる月例経済報告
月例経済報告は、月次で公表する景気に関する公式見解をまとめた報告書であり、経済指標を基に内閣府が取りまとめ、経済財政相が関係閣僚会議に提出し、公表されています。
報告書は、総論として景気の現状や基調、先行きに関する見解、個人消費、設備投資などを始めとした個別の主要経済指標についての判断を示すことに加え、海外の景気に対する判断も行っています。
他にも、金融経済月報や貯蓄率、労働分配率、日経平均株価、訪日外国人客数なども加味されています。
景気の上方修正は2年5ケ月ぶり
令和2年6月に上方修正したのは、平成30年1月以来、2年5ケ月ぶりで、安倍政権はこの間、6回判断を引き下げました。
要因として米中貿易戦争や消費増税が重荷となり、令和2年に入り新型コロナウィルス感染症の影響が大きく加わりました。
安倍政権は、令和2年4月に緊急事態宣言を発令した後、5月に段階的に解除し、宣言中は外出の自粛が求められ、商業施設などの休業が広がりました。
西村経済財政相は、6月19日の会見で「感染拡大の防止のため、経済活動を抑制した4月〜5月を底に国内経済ニーズは上向いてきてる」との見方を示しました。
雇用情勢は今後も悪化の予測
強い警戒感を示すのは、雇用情勢であり、令和2年4月の休業者数は過去最多の約597万人に増加しており、一部では失職に転じる恐れもあります。
労働時間が減少し、雇用者の賃金も減り、雇用、所得状況の悪化は消費回復の足を引っ張りかねません。
消費を中心に国内ニーズが5月を底に持ち直しているのは確かですが、雇用はこれから悪化する予測もあり、全体として景気が上向くのはまだ時間がかかると思われます。
安倍政権による様々な経済対策である補助金や無担保・無利子融資、雇用調整助成金など、活用できるものは利用し、この現状を乗り切ることが期待されます。
[2020.6.26更新]