BCP策定済み企業は2割弱!自然災害に加え「感染症」想定の企業が急増
BCP策定企業は16.6%、低水準ながら増加傾向
帝国データバンクは令和2年6月11日、「
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に対する企業の意識調査」を発表し、
BCP策定済みの企業は16.6%と低水準ながらも増加傾向にあることが判明しました。
これまで
BCPは、台風や豪雨、地震など自然災害を想定していましたが、新型コロナウィルスの感染拡大で「感染症」をリスクとする企業が急増しています。
企業は
BCP策定により、事業資産への影響を最小限にとどめ、事業継続や早期復旧が求められています。
東日本大震災、台風、リーマン・ショックによりBCPが推進
BCPは、企業があらゆる不測の事態に備え、優先度が高い重要な業務から早期に復旧するできるように策定しておく計画を示しており、東日本大震災や令和元年の台風15、19号など自然災害や新型コロナウィルス感染症ほか、リーマン・ショックのような金融危機により策定が推進し始めました。
BCPには、他にも業務を停止させる要因となるシステム障害や、サプライチェーン(材料の供給)停止などによる被害を前提とした対策が必要となります。
BCPと防災計画の違いは
BCP同様に企業が策定する計画の一つに比較的企業が策定済みの「防災計画」がありますが、
BCPとは目的が異なり、防災計画は「人命や資産を守る」ことを目的とし、
BCPは「事業を復旧し再開する」ことを目的としています。
両者ともに、自然災害や感染症のパンデミック(感染爆発)などによる被害を前提する一方で、
BCPだけはシステム障害やサプライチェーン停止など業務を停止させる要因も策定内容に含まれています。
最近では、新型コロナウィルスの影響で従業員の賃金を補助する雇用調整助成金のオンライン申請が、システム障害で2度ほどエラーが起き、現在も復旧の見込みがなく、人の手によるアナログ作業で大きな時間を取られていることも
BCP策定に含まれます。
業界により変わるBCP
BCPは、業界によっても想定しておくべき事態や、その応対法、対策などをすべきことで変わってきます。
特に、観光業界では訪日外国人客数の急減で廃業する企業も出てきており、国外市場が相手となることから、国内での災害や感染症の動向のほか、海外情勢の動向も迅速に把握し、対策を講じる必要があります。
新型コロナウィルスのように危機的状況の発生を防止するすることよりも、想定されるリスクが発生した場合にどのように被害を最小化できるか早期復旧のために何をすべきかを事前に策定する必要があります。
[2020.6.19更新]