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公的資金を
地銀へ!12兆円から15兆円へ拡大
公的資金を地銀へ!12兆円から15兆円へ拡大、地域中小企業へ資金供給
中小企業へ円滑な資金供給を、金融機関へ公的資金供給
安倍政権は、令和2年6月8日、金融機関が
公的資金を受けやすくする金融機能強化法の改正案を決定しました。
新型コロナウィルスの影響により金融機関の経営が悪化すれば中小企業などに必要な資金が供給できなくなる恐れがあるとして、
公的資金を供給する条件を緩和し、金融システムが機能不全に陥らないようするため、資金枠をこれまでの12兆円から15兆円に拡大する方針です。
また、令和4年3月までであった
公的資金の申請期限を令和8年3月まで延長する計画です。
地域経済活性のため、金融機能強化法改正
金融機能強化法は、輸出産業などを中心に減産や雇用調整などに波及し、特に地方経済が急速に悪化しており、この事態に中小企業金融の円滑化を図るため、
地銀など金融機関が資本基盤を強化し
公的資金を活用しやすい枠組みの整備することを目的としています。
麻生金融相は、
地銀など金融機関などへ
公的資金を供給する金融機能強化法改正案を、今国会で提出する方針を示し、令和2年度の第2次補正予算案で15兆円に増額するとしています。
新型コロナウィルスの影響を受けた場合には、金融機関の経営責任を問わないことも特例として設ける考えです。
地銀の無担保・無利子融資実行はわずか1%未満
全国地方銀行協会では、新型コロナウィルスの影響で経済活動が縮小し、地域経済は非常に厳しいとの認識を示しています。
令和2年5月からは、日本政策金融公庫など政府系金融機関に続き、
地銀でも無担保・無利子融資の申請を受付ていますが、同協会に加盟する64行には5月13日現在、3万6,189件の融資申込があり、実行されたのはわずか262件に留まっています。
これは、融資先の中小企業など業績が悪化した場合のリスクに備え、与信費用を計上しますが、令和2年3月期連結決算を発表した上場
地銀76行の与信費用は、前期比で約7割増加しているのが実態です。
公的資金供給でも経営責任は問わない
安倍政権では、
公的資金を供給する際に
地銀など金融機関に求めていた経営責任の明確化や、収益目標の設定を省くとし、返済期限を撤廃する特例も設けるとしています。
これまで経営トップが
公的資金供給に至った責任をとり交代する事例もあり、条件を緩和することで経営陣が
公的資金を受け入れやすくする環境が整備されます。
これは、平成23年の東日本大震災時に被災地の金融機関に適用した特例にならったもので、迅速な地域中小企業への資金供給が期待されます。
[2020.6.16更新]