中小金融支援にコロナ公的融資10兆円!民間金融機関の融資残高も2兆円超え
融資残高はリーマン・ショック超え
新型コロナウィルスの感染拡大により、中小企業が資金難に陥り金融機関の窓口に殺到し、令和年1月〜3月期の短期借入金は前年同期比で12%増加しており、リーマン・ショック危機以来の伸びとなっています。
安倍政権は、公的
融資の決定額を10兆円とし、緊急事態宣言の解除により企業活動は徐々に再開しはじめたものの、ウィルス感染拡大の第2波、第3波が懸念されます。
資金繰り支援は、経済の悪化が見込まれる4月〜6月期以降に向け持久戦となりそうです。
公的金融機関の融資残高は6.6兆円
安倍政権が設けた
融資制度の利用も急拡大しており、政府系金融機関の日本政策金融公庫や商工組合中央金庫には、令和2年5月下旬まで54万件の
融資申請があり、すでに約35万件が承諾され6兆6,000億円の支援を決定しました。
同様に政府系の日本政策投資銀行にも約2,000件の申請があり、656億円が
融資されています。
企業では、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫が中小企業や個人事業主向け、日本政策投資銀行が大企業や中堅企業向けとなっているものの、すみ分けを超え、企業は資金確保に走り回っている状況です。
民間金融機関の融資残高も2兆円超え
民間の金融機関においても令和2年5月1日から無担保・無利子の
融資が始まり
融資の申請も急増しており、金融庁によると5月27日時点で申請は約21万件で、うち12万6,000件、
融資額は2兆3,000億円が実行されています。
新型コロナウィルス対応の
融資額は、官民金融機関合わせすでに10兆円弱に達しています。
一方、全国地方銀行協会は、新型コロナウィルスの第2波、第3波が発生する可能性もあり、経済再開の見通しは不透明と考え、内部保留を切り崩し、凌いできた企業の資金繰りも厳しくなる恐れがあるとの考えを示しました。
民間金融機関、リスケジュールや金利減免にも対応
民間の金融機関では、コロナ危機前より中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)や金利減免などの条件変更に応じており、今後、予防的に設定した
融資枠も実際に活用する企業が増加すると思われます。
日本経済は、長い目で見て人との接触を減少させ、感染抑止を優先する新たな生活様式に転換する公算が大きく、企業へ対しての金融支援も持久戦となる状況です。
[2020.6.9更新]