中小企業庁が分析「中小・小規模事業者白書」
宿泊・飲食業など半年持たず手元資金枯渇?
すでに売上減や他社との展示会や商談会が延期
安倍政権は令和2年4月24日、令和2年版の
「中小・小規模事業者白書」を閣議決定し、新型コロナウィルス感染拡大による影響を盛り込み、宿泊・飲食サービス業について、半年間で資金繰り難が深刻になる可能性があるとの状況を示しました。
経済産業省中小企業庁では、中小・小規模事業者にとっては、すでに売上減や他社との展示会や商談会の延期の影響が生じており、在宅業務や働き方改革、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)策定など非常時に供える重要性を強調しています。
手元資金、家賃や賃金など固定費は数ケ月分
「中小・小規模事業者白書」では、外出自粛に伴い売上が減少した場合、家賃や賃金など固定費は手元資金不足から平均で固定費の数ケ月分しかないと分析しています。
自治体など公的窓口には、中小企業の資金繰りに関する相談件数が令和2年3月末までに約30万件に上り、相談が最も多かったのは全体の3割を占めた飲食業ほか、卸売業なども目立ちました。
中小企業、BCP策定は大企業の半数
中小企業では、BCP策定が遅れており、令和元年5月のデータでは、大企業が「策定済み」、「策定中」が38%になる一方、中小企業では19%と大企業の半数に留まりました。
「中小・小規模事業者白書」では、期待される役割や機能、それを生み出す価値に着目しており、BCP策定により経済的な付加価値の増大や、地域の安定、雇用維持への取り組みを調査、分析しています。
経営者の高齢で事業承継にも影響
「中小・小規模事業者白書」をまとめた中小企業庁では、製造業を含め、他業種への影響についても注視していくとしています。
さらに、経営者の高齢化による事業承継の重要性にも言及しており、新型コロナウィルスの収束が見通せない中、同庁では中小・小規模事業者の事業価値が保持される承継が行われることが重要と述べております。
そのための緊急経済支援をいち早く決定し、課題解決に繋がるようにスピーディな決定事項の公表が望まれます。
[2020.5.1更新]