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廃業決定は5割
中小企業の後継者、決定企業は1割、廃業決定は5割の実態!後継者は長男が4割強
中小経営者の高齢化、人口減少で承継諦める経営者も
政府系金融機関の日本政策金融公庫が令和2年1月28日発表した「中小企業の後継者の
事業承継に関するインターネット調査(令和元年)」によると、中小企業における
事業承継の見通しについて、後継者が決まっていると答えた企業は12.5%に留まり、事業を
廃業予定と答えた企業は52.6%と半数を超えました。
日本の中小企業経営者は高齢化し、人口も減少しており、安倍政権では
事業承継に関して税制優遇措置などを打ち出しているものの、まだ十分に届いていない結果となりました。
廃業選べば中小企業の技術やノウハウ、製品、サービスの損失に
この調査は、中小企業経営者の高齢化に伴い、
事業承継の重要性が一層高まっているため、今後の見通しを把握し、後継者の決定状況別に中小企業の実態を明らかにし、今後の課題にする方針です。
調査対象は、従業員数299人以下の全国の中小企業で有効回答数は4,759件となっています。
日本の中小企業の技術やノウハウ、製品、サービスなどは世界的に見てもトップクラスであり、これらを半数以上の企業が放棄することになれば、経済的にも大きな影響を与えます。
後継者は親族から第三者への流れ
業種別で見ると、
廃業を決意した中小企業経営者のうち、全体の割合が最も高かったのは宿泊業で38.2%で最も高く、不動産業が25.3%、物品賃貸業が24.2%と続きました。
一方、後継者が決まった中小企業の候補については、長男が最も多く45.2%、役員・従業員は16.3%、長男以外の実子が10.1%となっています。
前回調査の平成27年に比べ、長男の割合が5.9%減少した一方、役員・従業員が4.0%上昇しました。
5年後、70歳以上の中小経営者は245万人
経済産業省中小企業庁によると、今後10年で事業後継難の中小企業経営者へ第三者承継を支援する施策を本格化します。
令和7年までに70歳を超える中小企業経営者は約245万人で半数は後継者難と推測しています。
ここ数年では、中小企業においてもM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)による
事業承継なども増加傾向にあり、中小企業庁では約60万社の承継の実現を目指しています。
廃業を考える中小企業経営者は、自社の価値を再度見直し、事業存続に向けた可能性を模索すべきと考えます。
[2020.3.13更新]