トップ >
業界動向 >
賃金改善は従業員の「定着・確保」が8割超え!
賃金改善は従業員の「定着・確保」が8割超え!深刻な人手不足に消費者にも影響
安倍政権、企業へ賃金アップを要請
帝国データバンクが令和2年2月27日発表した「2020年度の賃金動向に関する企業の意識調査」によると、従業員の
賃金改善理由として経営者は「労働力の定着・確保」との理由が80.6%と過去最高を更新しました。
同調査によると、平成30年に続き厳しさが増す1年となり、令和元年10月の消費税引き上げにより、家計の負担が増加する中、安倍政権は経団連へ7年連続で賃上げを要請するなど今後の賃金動向が注視されています。
賃金、賞与よりベースアップ
令和2年度の
賃金改善があると見込む企業は53.3%と4年連続で5割を超えたものの、平成31年1月の前回調査から2.2%減少しました。
賃金改善の目的内容では、ベースアップが45.2%、賞与が26.3%とベースアップは4年連続で4割を超え、賞与は2割台に減少しました。
企業経営者にとって賃金を改善する理由は、労働力の「定着・確保」が80.6%と過去最高を更新し、従業員の「定着・確保」のための賃上げは一層強まっています。
サービス、運輸・倉庫」、建設業でも賃金上昇が低下
業種別でみると、
賃金改善では「サービス」、「「運輸・倉庫」、「建設」が高く、総人件費は平均で2.85%と増加するものと見込まれていますが、伸び率は前年度から若干低下すると予測されます。
また、自社の業績拡大では、36.0%と前年度から4.9%下回り、改善しない理由として自社の業績低迷が前年度から5.5%増え58.1%と5年ぶりに増加に転じました。
深刻な人材不足で賃上げへ
賃金改善の理由では、労働力の「定着・確保」が2年連続で8割を超え、過去最高を更新しました。
人手不足が深刻な問題となり、長期化するなか人材の「定着・確保」のため、賃上げを実施する経営者が増えているのが実態です。
労働ニーズは逼迫しており、企業の半数が人手不足を実感する中、解消法として賃金の引き上げなどが経営者にとってやむを得ない状況となっています。
従業員の賃上げは消費者にとっても家計の負担を増す状況にもなり、今後の動向が懸念されます。
[2020.2.28更新]