企業の休廃業・解散件数3年ぶりに増加へ!後継者難、資金繰り支援問題解決が課題
令和7年には127万社が休廃業?中小企業庁試算
帝国データバンクは令和2年1月20日、全国企業の「
休廃業・解散」動向調査を発表し、令和元年の企業の「
休廃業・解散」件数は、前年から2.6%増加し2万3,634件と3年ぶりに増加に転じたことが判明しました。
ここ数年、企業の「
休廃業・解散」による経済的な損失が大きいことが注視されており、経済産業省中小企業庁は、令和7年には日本の企業全体の約3分の1に当たる127万社が後継者不足などで廃業に至るとの予測を公表しています。
安倍政権による経済指標となる企業の倒産件数は公表されるものの、「
休廃業・解散」については対象外となっています。
休廃業・解散とは
企業の「
休廃業・解散」は、負債額以上の資産を持ちながらも事業を停止することで実質的に廃業の状態にありますが廃業の届けを提出した企業だけでなく、事業活動が停止状態にある企業全体が含まれます。
また、企業が解散の登記まで完了した場合には解散と呼ばれ、解散した企業は全事業を停止し、事業所も閉鎖されており再び同様の事業を再開する可能性はほぼありません。
休廃業と解散を合わせて、「
休廃業・解散」と区分されるケースがほとんどで、要因は後継者難や資金繰りの失敗などが多く見られます。
70代企業経営者が休廃業・解散を選択
「
休廃業・解散」した企業経営者を年代別に見ると、リタイヤする年代の多い70代が全体の37.6%に当たる7,197件と最も多く、3年連続で最多となっています。
業種別では、全7業種中5業者で前年を上回っており、中でもサービス業が全体の22.1%に当たる5,221件に上り、前年から2.7%増加しています。
地域における「
休廃業・解散」件数では、9地域中8地域で前年を上回る結果となり、都道府県別では東京都が2,582件と最多となっています。
平成30年は休廃業・解散件数、最小に
日本経済は、緩やかな景況感の回復を要因にこれまで「
休廃業・解散」件数は減少傾向にあり、平成30年はリーマン・ショック以降で最少となる水準となりました。
ただ、企業経営者の高齢化や後継者難の解決は、安倍政権でも税制優遇策などを講じているものの至らず、人手不足や原資材・人件費の高騰など新たな課題も出てきています。
特に地方を中心に経済の縮小が予測され安倍政権の「地方創生」が現実に具体的経済対策に結びつくかが注視されています。
[2020.1.28更新]