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リスケ施行から10年!倒産件数が11年ぶりに増加へ
金融円滑化法・リスケジュール施行から10年!企業倒産件数が11年ぶりに増加へ
年度末に向け、「資金繰りが厳しい」声が多く
令和元年度の年度末(令和2年3月末)を迎へ、資金繰りが厳しいとの相談者が多く見られる様になってきました。
十数年前に銀行など金融機関から運転資金などを借り入れ、売上も順調に伸び返済に問題はなかったものの、令和元年10月からの消費税増税や海外貿易の影響、原資材の高騰など収益はあり、黒字経営ではあるものの資金繰りで返済に困っているとの声が多く聞かれます。
平成21年12月に、リーマン・ショックを受け金融庁は
中小企業金融円滑化法を強引に施工し、金融機関への
リスケジュール(条件変更)を推進し、数多くの中小企業が生き残った現状があります。
リスケジュール申請数は500万件超え
中小企業金融円滑化法施行から10年が過ぎ、
リスケジュール申請数は平成31年3月末現在で500万件をを超え、その後も増加傾向が見込まれていますが、金融庁は金融機関へ
リスケジュール件数の報告義務を停止し、現在の正確な申請数はわかっていません。
同法は、時限法案ながら平成23年の東日本大震災もあり2度の延長を繰り返し、現在も金融機関に対し金融庁では、積極的な
リスケジュール対応を要請しています。
中小企業にとっては、
リスケジュールによって復活できる可能性が高く、返済の減額や利子のみの返済を半年や1年継続することで、新たな事業計画により資金繰りも徐々に緩和されると考えられます。
企業倒産件数、今後、増加の懸念
ただ、
リスケジュールにより事業を立て直した中小企業もあれば、新たな事業計画がうまくいかず事業を締めるケースも出てきています。
東京商工リサーチが令和2年1月14日に発表した令和元年の全国企業倒産集計によると、前年から1.7%増加の8,383件と11年ぶりに増加に転じました。
中でも人手不足による倒産件数は同10.0%増の426件と過去最多となり、人手不足の深刻さが浮き彫りとなり、消費税増税や後継者不足など東京商工リサーチでは今後も倒産件数は増える懸念を示しています。
企業倒産県数、10年連続で前年を下回っていたものの令和元年には増加へ
リーマン・ショックが起きた平成20年は、企業倒産件数が1万5,646件に達し非常事態に近いレベルにもなり
リスケジュール申請件数が増加し、信用保証協会でも100%保証の緊急保証制度が導入されました。
この金融政策もあり、企業倒産件数は平成21年以降、減少傾向にあり平成26年は1万件を割り込み平成31年まで10年連続で前年を下回ってきました。
今後も金融政策に大きな変化は現在のところないものの、金融機関にとっても日銀の金融緩和政策で低金利により収益が悪化しているのが現状であり、資金繰り悪化にはお早めの相談が必須となります。
[2020.1.21更新]