SNS利用の個人間融資に金融庁が注意勧告!多重債務者は減少から横ばいへ
違法金融行為が横行、消費者庁も「注視が必要」
平成18年12月に改正貸金業法が成立以来、減少してきた多重債務者数が横ばい傾向に転換してきており、利用者保護が進んだ一方、新たにSNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)を利用した
個人間融資など違法金融行為が横行し、消費者庁では、「引き続き注視が必要」と指摘しています。
金融庁によると、令和元年9月末時点で消費者金融などから5件以上借入のある多重債務者は3年連続で9万人に達し、3件以上の借入でも120万人を超え平成29年3月末時点に比べ微増となっています。
銀行カードローンは減少したもののSNSでの個人間融資が横行
多重債務問題は近年、貸金業法が適用されない銀行カードローンによる自己破産問題が社会問題となり、金融庁では銀行など金融機関に対し、過度な貸付のPR、広告を自粛するよう要請し、全国銀行協会や全国地方銀行協会でも要請に応えています。
ただ、SNS上では個人同士の貸借りを行う
個人間融資や、給与を債権と見立て融資に応じる給与ファクタリングといった違法金融事案が数多く出回っています。
金融庁で令和元年12月9日行われた懇談会でも、銀行カードローンの利用増加傾向はブレーキがかかったとした一方で、SNSを利用した
個人間融資が増加しており対策を進める必要がるとの見解を示しました。
twitter「#個人間融資」が増加
金融庁では、すでに令和元年6月に消費者金融に関する有識者会議でSNSのtwitter(ツイッター:140文字のコミュニケーション・ツール)を使い違法融資が行われている実態が報告され、警視庁や国民生活センターなど関連機関と連携し、対応することを進めていました。
twitterでは、貸金業の正規な登録もせずに高金利で
個人間融資が行われており、検索用の目印であるハッシュタグを付け「#
個人間融資」の投稿が急増しています。
金融庁の公式アカウントから注意勧告、アカウント閉鎖、書き込み削除の実績も
金融庁は、令和元年11月にはtwitter上に公式アカウント「金融庁
個人間融資対策」を開設し、
個人間融資を持ちかける書き込みに対して公式アカウントから注意喚起を行い、すでに約40件の注意勧告を実施し、アカウント自体を閉鎖したり、書き込みが削除されたとの実績も示し、今後も取り組みを継続する方針です。
中小企業や小規模事業者にとっても資金ニーズが多く聞かれ、数十万円の繋ぎ融資でも手軽に借入れる傾向もあり、資金繰り次第で十分賄える場合も多く、お早めのご相談が重要となります。
金融庁:
金融サービス利用者相談室
[2019.12.17更新]