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企業への融資の金利が11年連続で低下!金利競争より企業の成長性を重視し融資を

企業の金融機関からの借入金利、平均借入金利は1.37%

帝国データバンクが令和元年11月29日に発表した平成30年度(平成30年4月1日〜31年3月31日)の「全国平均借入金利動向調査」によると、企業の金融機関からの融資における平均借入金利は1.37%と前年度から0.08%低下し、11年連続で低下しました。
平均借入金利
日銀による異次元金融緩和の1つであるマイナス金利政策の持続により、企業における金融機関からの融資は、これまでにない低金利時代に突入しており、金融機関にとっても金利の利ざやが取れず収益を圧迫しているのが現状です。

SBIなど収益上がらぬ地域金融機関を再編・統合

特に地域における地銀や信金などでは、低金利競争が激化しており、その過半数で収益が減少するなど金融機関としての経営に影を差しており、ここ数年でSBIグループなどを中心に地域金融機関の再編・経営統合も高まりつつあります。
東京オリンピック・パラリンピックを控え、建設業やインターネット通販で拡大する運輸・物流・倉庫業などの旺盛な設備投資などが見込まれている一方、中小企業金融円滑化法によるリスケジュール(条件変更)を受けながらも再建が進まない企業も多く相談に応じているのが実態です。

消費税引き上げでダメージを受ける産業も

平均借入金利令和元年10月に消費税率が10%に引き上げられ小売業やサービス業など収益が減少し、軽減税率やポイント還元、プレミアム商品券など経済政策は十分だったものの、これに対応しきれない企業も多くあり、ダメージを懸念する声は依然多くあり、企業の金融環境の影響の注目度は高くなっています。
このような中、企業では人手不足に対応した省エネ化や設備投資など、金融機関より融資を要請する声も多く聞かれ、平成19年の金融機関からの平均借入金の利回りは2.33%から現在1.37%と大きく低下し、資金流通促進を狙う日銀ですが、思うようにいっていないのが現状です。

融資の借入企業、金利より安定的な資金供給

金融庁では年1回、企業へのアンケート調査を行っており、この中で「取引先金融機関に対して望むこと」に対しての回答では、「金利など条件面」よりも「安定・継続的な資金供給」がトップとなっています。
金融機関にとっては、低金利競争が激化し、借り入れる企業においても金利が低いに越したことはなく、融資を望む金融機関では金利競争に陥っているのが現状です。
本来、金融機関が目指すのは融資先企業の成長や安定のためアドバイザリーとなり資金ニーズに応えるもので、その付加価値として相応の金利収入や手数料で採算性も保つべきであり、令和の時代に入り金融機関の再編が叫ばれる中、今後の動向が注視されます。


[2019.12.10更新]

     

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