急増する「リ・バース60」人生100年時代に
「リバースモーゲージ」「リースバック」との違いは?
住宅融資保険利用の「リ・バース60」3年で400%超えの増加
民間の金融機関が住宅金融支援機構の住宅融資保険制度を利用し、提供される死亡時一括返済型の
リバースモーゲージ型住宅ローンの「
リ・バース60」の利用者が急増しています。
住宅金融支援機構によると住宅融資保険の付保実績は、過去3年で平成28年度が16戸、29年度が68戸、30年度が294戸と前年実績を400%超えの勢いで増加しています。
この増加要因としては、商品性が改善され、取扱い金融機関も増え、人生100年時代の住宅・老後生活資金ニーズの合致が挙げられます。
住宅ローン返済中、不測の事故にあった場合には金融機構が民間金融機関へ返済
住宅融資保険は、昭和30年に施行された住宅融資保険法に基づく保険であり、住宅金融支援機構と民間の金融機関の間で契約され、住宅ローンが不測の事態で事故などになった場合、金融機関に保険金が支払われる仕組みです。
この保険を利用した「
リ・バース60」は、満60歳以上の利用者向けの住宅ローンで、毎月の支払いは利息のみで元金は利用者が亡くなった時に相続人から一括して返済するか、住宅や土地の売却により返済する金融商品です。
「リバースモーゲージ」や「リースバック」との違いは
「
リ・バース60」は、あくまでも住宅ローンであり、資金の用途は住宅関連に限られ、生活資金などに充当することが出来ません。
これが「
リバースモーゲージ」や「
リースバック」と異なる部分ですが、「
リ・バース60」返済中に住宅ローンを借り換えることにより、支払いが利息のみとなるため、毎月の返済を大幅に軽減するメリットもあります。
ただ、「
リ・バース60」の利用条件として、年齢が申込み時点で満60歳以上、融資限度額は5,000満円ですが担保物件により異なり、金利は変動型金利となっています。
低金利時代には高めの金利設定
金融庁が発表した老後生活資金は2人世帯で約2,100万円と人生100年を考慮するとこれまでの「
リバースモーゲージ」が一般的でしたが、物件によっては交通、最寄駅からの利便性ほか、スーパーなど買い物や公共施設など適用されるにはハードルが高いのが実態です。
一方、「
リ・バース60」は、変動型金利で令和元年8月現在、りそな銀行は1.457%、三菱UFJ銀行では2.675%と低金利時代には高めの金利となっています。
ただ、「
リースバック」の場合には、資金用途は限定されず、オプション契約により所有権の回復も可能であり、各々どのタイプを選ぶべきか専門家への相談が必要となります。
[2019.11.5更新]