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金融機関の貸出残高、96ケ月連続増加!中小企業向けに資金ニーズ拡大

日銀アンケート、企業の資金ニーズは上昇

日銀が四半期ごとに公表する「主要銀行貸出動向アンケート調査」によると、企業向けの融資が「増加」したから「減少」を差し引いたDI(Diffusion Index:各種判断を指数化)がプラス3と、前回調査のプラス2から上昇しました。
日銀が令和元年10月10日に発表した9月の「貸出・預金動向」の速報では、全国の都市銀行や地銀、第二地銀など金融機関の貸出平均残高は前年同月から2.2%伸び、469兆7,753億円と96ケ月連続して前年実績を上回りました。

資金ニーズ、大企業・中堅企業はマイナス、中小はプラスへ

貸出残高資金ニーズ動向を企業の規模別で見ると、大企業向けがマイナス4、中堅企業向けがマイナス1と減少した一方、中小企業向けがプラス4と資金ニーズ要請に金融機関も応えたことが判明しています。
特に「地方創生」や「地方活性化」を目指す安倍政権において、地銀や第二地銀の貸出平均残高は、前年同月から2.3%伸び、252兆5,885億円と全体の過半を超えました。
また、手形や小切手を除いた預貯金残高でも都市銀行や地銀、第二地銀合わせ、前年同月から2.5%増え、727兆5,598億円でした。

企業の投資は内部留保から投資へ?

日銀では令和元年10月10日、衆議院予算委員会において日銀が維持する異次元金融緩和の中で、企業の資金ニーズは増加しており、投資も徐々に積極化しているとの認識を示しました。
日銀は、企業の内部留保超過が続く背景として、バブル崩壊後の低成長や、デフレ化での投資の慎重化、リーマン・ショックなど金融危機の経験による手元資金の選択の影響が大きく残っているとしています。
ただ、日銀の金融緩和の持続により、投資も徐々に積極化しており、企業の内部留保は縮小してきていると分析しています。

地方の金融機関、経費削減や手数料の増加が必要

貸出残高日銀は令和元年10月25日には、「金融システムリポート」を公表し、超低金利化において業績が悪化する地域の金融機関の10年後のシミュレーションを示し、経営改善のため、経費削減や手数料の増加などの必要性を強調しています。
地銀や信用金庫など地域の金融機関は、人口減少や企業の資金ニーズの低下で貸出が減少しているのが実態であり、利ざやも縮小しています。
地域経済の疲弊によって、取引先などの倒産や廃業も懸念されており、経営環境はより厳しくなっており、資金ニーズの地域格差も浮き彫りになっています。


[2019.11.1更新]

     

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