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事業承継を促す個人保証、撤廃へ!全銀協も経営者・後継者の二重取り禁止へ

中小企業の事業承継が進まないのは個人保証が要因

菅原経済産業相は令和元年10月17日、日本商工会議所の三村会頭と会談し、中小企業の事業承継が進まない要因とされている経営者の個人保証について「撤廃を確実にしたい」との意見を述べました。
国内経済の生産性の向上には大企業も中小企業も成長できる共存関係が重要であり、個人保証の廃止や第三者承継を促す税制などの措置が必要となります。
三村会頭は、経済産業省には丁寧に応じていただいたと述べています。

個人保証は日本独自の商習慣

事業承継個人保証は、中小企業などが金融機関から融資を受ける際に、経営者や親族が債務返済を保証することであり、日本独特の商習慣です。
万が一、返済が滞った場合には、保証人となる経営者などの不動産や生命保険など、様々な資産を処分し返済に充てることになっています。
金融機関にとっては貸し倒れのリスクは減少できるものの、中小企業など経営側は経営が悪化した場合には大きなリスクを負うこととなります。
これらのことから、成長性が見込める有望な企業においても個人保証のリスクから融資を躊躇する傾向が強くあり、経済活性化を妨げるという指摘もありました。

全銀協、現経営者と後継者の2重の保証とり禁止へ

一方、全国銀行協会は、中小企業が事業承継する際に、融資する金融機関が現経営者と後継経営者の双方から2重に個人保証を取ることを原則禁止する方針を令和元年中に策定する指針を示しました。
同協会では、事業承継が進まない要因として、個人保証の2重取りが負担となっていることから金融機関に対し見直しを求めています。
個人保証は、中小企業などが金融機関から融資を受ける際に経営者が個人で保証する日本独特の商習慣で、返済が不可能になった場合には経営者の私財で弁済されることから、後継者が企業を継ぐことに消極的なっています。

安倍政権、2重取りを原則禁止に見える化で進捗把握

ただ、現状では新旧経営者から保証をとる金融機関があるのも実情で、帝国データバンクによると経営者の平均年齢は平成30年に59.7歳と平成2年に比べ5.7歳高齢となっています。
事業承継
安倍政権の成長戦略においても個人保証の2重取りを原則禁止することを取り組んでおり、金融機関が保証を求めた割合など見える化し、進捗を把握していく方針です。
金融機関は、取引先企業の実情を見極め、貸出金利などに反映するように目利き力が求められてきています。


[2019.10.25更新]

     

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