信用保証の利用、マイナス幅が拡大!先行きは創業・起業で持ち直しの見込み
資金繰りDIがマイナスへ
政府系金融機関の日本政策金融公庫は令和元年7月31日、「
信用保証利用企業動向調査」の結果を発表し、平成31年上半期(平成31年1月〜6月期)の中小企業における資金繰りDI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が、マイナス10.3とマイナス幅が拡大したことが判明しました。
同年上半期に借り入れを実施した中小企業のうち、
信用保証を利用した企業の割合はやや増加しているものの、令和元年7月〜9月期の中小企業における
信用保証の利用要請DIは0.4とやや低下しました。
融資を受けやすくなる信用保証
中小企業が資金調達を考えた場合、融資や出資、社債、助成金・補助金などありますが、
信用保証協会は、中小企業が銀行など金融機関から資金調達する際に、保証人となって融資を受けやすくなるよう支援する国の公的機関です。
金融機関との取引の浅い中小企業は、融資の際に
信用保証協会の保証を要請される場合もあり、保証付融資と呼ばれ、万が一借り手が返済できなくなった場合には
信用保証協会が代行し返済されます。
ただ、保証を利用する対価として中小企業は、保険として
信用保証協会へ
信用保証料を納める必要があります。
信用保証利用の企業は126万社、公的金融機関では最大
全国
信用保証協会連合会によると、現在では国内企業の99.7%を占めているのは中小企業であり、約358万社で、このうち
信用保証の利用企業数は約126万社と公的な金融機関の中でも利用が最も多くなっているとしています。
さらに、
信用保証を利用の中小企業のうち、約9割は従業員数が20名以下の小規模企業であり、同連合会では、申し込みをためらう前にまず管轄の
信用保証協会へ相談して欲しいと訴えます。
▼全国
信用保証協会連合会:
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金融機関からの融資は増加傾向
一方、貸し手となる金融機関から中小企業への融資の動向を見てみると、貸し出しに関しては増加傾向にあるとの傾向があります。
日本政策金融公庫が令和元年6月28日発表した「
信用保証に関する金融機関アンケート調査」の結果を見ると、中小企業向け貸し出しDIは3.4と13期連続でプラスとなり、
信用保証付き貸し出しDIはマイナスに転じるものの、マイナス幅は縮小しています。
ここ数年では、新規融資の促進に伴う
信用保証利用の融資については、創業や起業に関する
信用保証が最も多く、安倍政権の「働き方改革」により、新たな事業へ挑戦する経営者が増えていることがわかり、今後の事業拡大へ先行きが期待されます。
[2019.8.9更新]