中小企業「これからの事業には海外向けECが必須」が4割!
ただ、自社にECを取り込める企業は7%の実態
人手不足、賃金アップ、事業承継、米中摩擦、中小企業には大きなリスク
中小企業にとって人手不足や従業員の賃金上昇による収益ダウン、事業承継問題、米中貿易戦争による影響は大きなリスクとなっているのが現状です。
資金力、体力のある大企業においては乗り越えられても、中小企業にとっては国内市場の縮小など大きな試練に打ち当たっています。
JETRO(Japan External Trade Organization:日本貿易振興機構)によると、デジタル貿易となる
EC(Electronic Commerce:インターネット上の電子商取引)を活用した中小企業の輸出支援や、
海外でのイノベーションを国内ビジネスに取り込み活性化することを重要とし、
EC活用による
海外事業を専門的に支援する部署を平成30年5月に立ち上げ、31年4月より活動が始まっています。
中小企業のEC活用はまだ3割
JETROは、昭和33年に
海外の市場調査や日本商品の宣伝、見本市の開催などを行なっており、平成15年に独立行政法人として発足された特殊法人です。
JETROが平成30年度行った「日本企業による
EC利用実態」調査によると、全回答中小企業3,385社のうち、販売で
ECを利用したことのある企業は30.3%で前回調査の平成28年から5.9ポイント伸びました。
EC利用の中小企業では、「今後もさらに利用拡大を図る」が前回調査の15.3%から21.1%ヘ大きく増加し、拡大傾向は今後も続くと推測されます。
成長市場、中国・インド・ASEAN・アフリカで約44億人
中小企業にとって国内市場の縮小が売上高にも反映され実感しているのが現状である一方、
海外では中国やインドなど人口はともに13億人、成長著しいASEAN(Association of South East Asian Nations:東南アジア諸国連合)諸国でも6億人、アフリカには12億人と国内市場の数十倍を超える市場があります。
この中でも、富裕層や中間所得層などの人口を考えれば魅力的な市場であることがわかります。
JETROでは、
海外出品希望の国内中小企業を募っており、
海外EC事業者を日本に招き商談会を開き契約締結までフォローしており、平成30年にはシンガポールやインドネシア、マレーシア、31年には中国や南米を含む25の新規プロジェクトを締結しています。
EC参入へJETROも支援
途上国を中心にインターネット人口が急増する中、日本の中小企業にとっても販路拡大に
ECを活用した販売への期待は大きく、JETROでも支援体制を整えています。
中小企業にはMade in JAPANの精度・品質の高い商品があるのは
海外の消費者も理解しているものの、現地語での対応やPR資料がないのも実態です。
JETROでは、
海外への
ECや貿易に関する講座や勉強会なども行っており、販路拡大を望む中小企業には積極参加が期待されます。
[2019.8.6更新]