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全国JAの8割が「本業」で赤字!金融事業や共済事業が頼みの綱

農産品の卸売り、農機、農薬の販売だけでは稼げず

JA農林水産省の調査によると、全国のJA(Japan Agricultural Cooperatives:農業協同組合)の8割で農業関連の「本業」が赤字であることが判明しました。
JAの「本業」である農産品の卸売りや農機、農薬などの販売だけでは稼げず、JAバンクでの預貯金の運用や民間の保険に近い共済で穴埋めしているのが実態です。
金融事業は、日銀の異次元金融緩和により利息は1%にも満たず、金融事業には限界もあり、再編を見据えた収益基盤の弱いJAの経営強化が課題となっています。

JAとは・・・独立採算制?

農林水産省によると、JAは農家の人々が農業や生活をより良くするために作られた組合としています。
農家の経営や指導事業、生産技術の指導や、暮らしに必要な生産資材などを安く仕入れ、農家に関わり農産物を販売したり、農家から資金を集め、病気や事故、火事などに備える共済事業、農家より資金を集め農機など購入する際に資金を貸し出す金融事業があります。
JAは、すべてが同じグループではなく、それぞれ都道府県や市町村ごとに独立し、経営している場合も多く、業績が良ければスキルやキャリアも身につき、収入にも繋がってきます。

金融・共済事業が牽引

JAJAの収益を支えているのは金融事業共済事業で、1JA平均では経済事業の損益は2億8,500万円の赤字でしたが、金融事業では3億4,900万円、共済事業で2億3,400万円の黒字となり、結果、全体で2億9,800万円の黒字を確保しています。
JA金融事業は、農家から集めた資金を元手に、ローンや農家向けに融資するほか、各都道府県の信用農業協同組合連合会(信連)や農林中央金庫(農林中金)で運用しています。
信連や農林中金は、各JAへ奨励金などの形で配り、これらの還元額は5,000億円に上ります。

黒字のJA、コメより野菜、乳製品が多い

農林水産省によると、平成28年度のJAの決算によると、黒字となったJAは赤字のJAに比べ、コメの取り扱いが相対的に少なく、野菜や乳製品の割合が多いことがわかりました。
従業員1人当たりの農産品の取扱い高でも黒字JAは赤字JAの約2倍で「本業」での生産性が高く、農家への指導も手厚い傾向がみらrれるといいます。
規制改革推進会議では、令和元年6月の答申で、金融事業の健全な持続性を継続としましたが、低金利で収益が上がらぬまま「本業」での収益が上げなければ将来的に経営が行き詰まるJAも出ることが懸念されます。


[2019.7.12更新]

     

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