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国税庁、中小経営者向け「節税保険?」巡り実態調査開始!
生保会社の過当競争に終止符?

「節税保険」契約実態をアンケート調査

節税保険国税庁は、令和元年6月13日までに約20社の生命保険会社との意見交換を開き、節税の効果があると言われる「節税保険」の課税ルールの見直しに、中小企業経営者向けの生命保険やがん保険などの契約実態をアンケート調査する方針を示しました。
同庁では、これまでも課税強化の方針を示していましたが、この調査によって改めて判断することになります。
これらの保険は、企業の福利厚生として個人でなく企業が契約し保険料を支払っていましたが、国税庁では平成24年の法人税通達の「例外的扱い」として返戻金がない場合は、保険料の全額損金算入を認めてきた経緯があります。

市場規模は8千億円以上に急拡大

中小企業では、平成29年頃より「節税保険」として爆発的に加入が増加し、生命保険会社も相次ぎ節税効果を高めた新たな保険を投入してきました。
企業は、保険料の支払い期間を2年や5年など短期化させ、時期によっては数百万円の保険料を一気に全額損金として法人が処理する手法も可能であり、その市場規模は、おおよそ8,000億円以上にも膨れ上がり、その過熱ぶりから国税庁もいよいよ腰を上げた形となりました。
節税保険」は、節税効果に加え、契約期間中に名義を法人から個人に移行することにより、保険料を個人で支払うことなく、終身保障だけを経営者へ移すことも可能でした。

国税庁、給付内容よりも資産計上への返戻率が問題

節税保険国税庁によると、「節税保険」の内容や給付の多様化の問題ということよりも、解約返戻率によって資産計上の割合を決める透明度の高い課税ルールにする方針です。
よって、課税ルールの見直しが行われれば過度な返戻率競争はなくなり、今後は保障の給付内容により生命保険会社同士の競争となるのではとの狙いと考えられます。
銀行など金融機関や、カードローン、消費者金融の貸出金利競争が透明化されるように、「節税保険」は節税メインよりも本来の保障内容の透明化が競争となりそうです。

保険料支払いを短期間に改定したため問題が

国税局が動いた要因には、生命保険各社が終身契約のがん保険の保険料の支払い期間を短期間にしたためであり、アフラック生命保険や第一生命傘下のネオファースト生命保険などでは、2年払いや3年払いに改定したためとみられています。
本来であれば年間では数万円の終身契約の保険料の支払いも、短期払いに改定されれば、年間で数百万円の保険料を損金算入可能となるためで「節税保険」は一気に加入増加していました。
今後、国税庁の調査結果によっては、生命保険会社の商品戦略にも大きく影響が出そうです。


[2019.6.21更新]

     

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