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金融庁、地銀の出資規制を緩和!地域活性化へ全額出資も可能に

地銀の収益悪化を改善、地域活性化を後押し

金融庁は、地銀による中小企業への出資規制を一部緩和する方針を示し、これまでは5%に制限した規制を、地域産品の開拓などを通じ地域の活性化に取り組む中小企業へ、全額出資も視野に緩和する趣旨を示しました。
日本は少子高齢化、人口減少が進み、日銀のマイナス金利政策も重なり地銀の経営は厳しくなっているのが現状であり、金融庁では自らの経営基盤である地域の経済活性化を後押しする環境を整える方針です。

5%の出資規制を緩和することで地銀の収益を維持

出資規制地銀始め銀行は、財務の健全性を維持し貸し手として強い立場になることを防ぐため、一般の事業企業に対して5%までの出資規制が設けられています。
この規制を緩和することで、地銀の収益を維持する力を強める狙いがあると考えられます。
金融庁では、すでに金融とIT(Information Technology:情報技術)を融合したFinTech(フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)を促進するため、銀行の業務高度化に資する事業を手がける銀行には、金融庁が認可すれば全額出資も可能となるよう銀行法も改正済みです。

5年後には雇用約650万人喪失、規制緩和で効果が出るか

経済産業省中小企業庁では、令和6年には70歳以上の中小企業・小規模事業者の経営者が約245万に達し、この半数ほどが後継者が未定と推計しています。
このまま放置すれば約650万人の雇用が失われる可能性もあると警戒しており、これまで税制面に優遇措置を推し進めてきましたが事業承継の支援をさらに拡充し地方を重視した支援を強める方針です。
ただ、規制緩和の効果が発揮するのかの見通しは立っておらず、一部の地銀からは後継者問題解決の起爆剤になるとは限らないとの声も上がっています。

地銀の半数はすでに赤字

出資規制金融庁によると、地銀の半数に当たる54行ではすでに中小企業への融資などの本業が赤字であり、東北や九州など23県では1行独占においても採算が取れないと試算しています。
日銀でも、約6割の地銀が10年後に最終的に赤字となるとの試算をまとめており、地域活性化が地銀にとっては死活問題となっています。
規制緩和によって、地域をどのように活性化していくのか、地銀や中小企業・小規模事業者、国、自治体などより密にして連携する必要があり、成功例は積極的に公開されることが望まれます。


[2019.5.31更新]

     

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