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事業承継に「経営者保証ガイドライン」活用状況を公表!
新旧経営者の二重保証は未解決?

新旧経営者からの経営者保証、銀行により対応は各々

金融庁は平成31年4月11日、「経営者保証ガイドラインに関するガイドライン」についてのアンケート結果を発表し、事業承継など、これまでの経営者と新たな経営者から保証を得る「二重徴求」では、地銀ごとに対応が異なり、実務面での難しさが浮き彫りとなりました。
経営者保証ガイドライン」は、平成26年2月より実施され、経営者保証ガイドラインがリスクの自粛を招いたり、早期の事業再生や事業承継を阻害する可能性があるとして全国銀行協会と日本商工会議所が作成しました。
経営者保証ガイドライン」は、企業経営者の資産の明確な分離を前提に経営者の保証を外すもので、法的な拘束力はないものの、金融庁もオブザーバーで参加し、官民で普及に取り組んでいます。

「経営者保証ガイドライン」、地銀の半数以上が影響を与えた

金融庁は「経営者保証ガイドライン」の普及状況の把握と、金融機関の対話を深める目的で平成30年11月に地銀105行を対象にアンケート調査を実施。
新規融資に占める経営者保証ガイドラインに依存しない融資の割合が改善した理由として、直接ガイドラインを見直す以外に経営上の取り組みへの影響について「かなり影響を与えた」が10行、「それなりに影響を与えた」が58行と半数以上が、企業への訪問回数の増加や目利き能力の向上、企業の財務だけでなく事業への理解度が上がったことがわかりました。
経営者保証ガイドライン

貸出金利の改善には繋がらず

一方、「経営者保証ガイドライン」の活用が「貸出金利の上乗せに繋がった」と回答した地銀は約3%と利益の向上には結びつきませんでした。
銀行など金融機関は、経営者の規律低下の防止や、債権の保全の観点から、これまで長年にわたり融資の際には経営者保証ガイドラインを求めてきました。
ただ、今回のアンケート調査では、貸出債権に対する経営者保証ガイドラインからの回収率は約63%に留まるなど、必ずしも債権保全には繋がっていないことも明らかになりました。

旧経営者の保証、経営に関わっていれば外せず

経営者保証ガイドライン「二重徴求」については、旧経営者の保証を解除できない要員として、旧経営者が代表権を持っていたり、株式を一定割合保有していると考える地銀が91行に上ります。
地銀では、代表者の変更だけでなく、実質的な経営への関与度合いで保証を要請しているとみられます。
実質的に経営に関与していないと判断する基準としては、代表権がなく、株式保留率も5割以下、経営への関与が伺われないなど、地銀によっても異なるなど、円滑な事業承継により日本の技術、サービスを次世代へ受けつげてもらいたい考えです。


[2019.4.19更新]

     

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