消費増税に「準備してない」中小企業が6割!
3割が増税分を価格に転嫁できない実態
過去、消費増税5%から8%に引き上げで景気は悪化
2019年10月に
消費税率は8%から10%に引き上げられる予定ですが、平成26年4月に5%から8%に
消費税が引き上げられた際には、回復傾向にあった景気は冷え込み、消費心理も落ち込み日本経済を悪化させた経験もあります。
この苦い経験から安倍政権では、キャッシュレス決済でのポイント還元や、住宅取得控除の延長など経済政策を打ち出していますが、未だ詳細については公表されていません。
消費増税「景気悪くなる」が6割弱
東京商工リサーチが平成30年9月に
消費増税への影響をアンケート調査したところ、中小企業の約6割が「準備をしていない」と回答し、増税を「延期・中止すべき」が49.5%、「景気が悪くなる」が57.8%と半数を超えました。
調査は平成30年9月時点のもので、その後の米中貿易戦争や中国の景気減速、英国のEU(European Union:欧州連合)離脱など、現在の回答は変動している可能性が十分にあります。
小売業ではレジ交換やシステム改修の費用も
消費増税を「準備をしていない」と回答した企業を規模別で見ると、大企業が42.9%に対し、中小企業は63.3%と大きく開きがあります。
中小企業の準備の遅れは、コストも人材も不足しており、中小企業庁ではレジなどの導入やシステム改修などの支援や軽減税率制度の周知を薦めるものの、浸透にはまだ時間がかかると見ています。
増税による景気の予測では、中小企業の58.9%が「悪くなる」と回答するなど、悲観的な見方です。
取引先からの値引き要請には逆らえない中小企業
大企業や中小企業とも、前回の
消費増税により「増税分全てを販売価格に転嫁する」との回答が増加し、特に中小企業では、取引先や親会社から「増税分の値引き要請があった」と回答した中小企業は23.1%、「増税分以上の値引き要請があった」が6.8%と約3割の中小企業が値引き要請を受けていました。
税金の滞納額の中でも最も多いのが
消費税であり、事業の運転資金に預かり金である
消費税を回してしまうケースも少なくなく、増税で業績が回復せず
消費税の滞納額が増加すれば本末転倒となってしまいます。
[2019.4.2更新]