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地銀に改善命令!監督指針を見直し
金融庁、赤字の地銀に改善命令!監督指針を見直し
金融庁、地銀の財務健全性を重視する方針へ
金融庁は、
地銀に対し、足元の自己資本比率に向けた健全性の収益力を重視した方針に拡大する監督指針を公表しました。
地銀本業が赤字であり、低収益の
地銀には店舗や人員配置、配当の抑制など早期の対策を要請する方針で、平成31年度に改善がなければ、経営責任を求め、業務改善命令も視野に入れるとしています。
金融庁では、少子高齢化や人口減少、日銀のマイナス金利政策により
地銀の収益環境が悪化しているのが実態で、景気が下降する前に金融システムの安定を目指すとしています。
都市銀行の再編・統合を促したバブル崩壊後の不良債権処理
バブル崩壊後には、不良債権問題は銀行など金融機関にとっては最大の懸念であり、財務の健全性を維持する自己資本比率の水準は、金融行政にとっては最大の課題でした。
都市銀行では、再編・統合したものの
地銀や第二
地銀は追いつかず、少子高齢化・人口減などで、金融機関にとっては健全性を維持する必要が高まっています。
金融庁では、金融機関の破綻を未然に防ぐため「早期是正措置」や「早期警戒制度」を見直し、自己資本比率に軸足を置いた健全性を重視した方針に転換します。
金融機関の利益は、手数料・金融商品販売・カードローン?
金融機関を取り巻く環境はここ数年で大きく変革し、日銀のマイナス金利政策により金融機関の収益面は大きく影響を受け、金融商品の販売や各種の手数料、カードローンなどが収益の柱となっているのが現状です。
特に
地銀においては、人口減少による過疎化などより厳しい収益環境となることは予測でき、米国や英国など主要各国が利上げを実施する中、日本ては超低金利から抜け出せない状況であり、金利ではすでに収益を得られない環境となっています。
金融庁は平成30年9月26日、
地銀106行のうち半数近い52行が本業で赤字である事を公表しています。
地銀の収益、新たな顧客ニーズに目利きが重要に
地銀における収益の低下は、長期的な金融緩和政策や預貸率の低下など資本の投資先が不透明という要因が挙げられています。
そのため、融資強化に注力し、専門分野でリスク解析を行い、目利き力を強化する事でより専門的な顧客ニーズに対応出来るよう支援体制を強化する必要があります。
メガバンクでは万単位のリストラを公表する中、
地銀においては地域の活性化のため、新規分野への参入やこれまで確保できなかった収益確保を目指す必要があり、再編や統合、連携などノウハウの共有が有効であり、それが地域の中小企業への資金ニーズへと繋がる要素ともなると考えられます。
[2019.3.22更新]