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金融庁、金融円滑化法のリスケ実施状況の報告を休止!対象者に浸透?

中小企業企業金融円滑化法、2度の延長後も現在も対応は同様

金融庁は、平成20年のリーマン・ショック後の翌年12月に施行した中小企業金融円滑化法の施行に伴い、銀行など金融機関に要請していたリスケジュール(条件変更)の報告を平成31年3月で休止する方針を示しました。
同法は、時限法案で2度の延長を繰り返し、現在でもその対応は継続しており、リスケジュールの実行件数も97%と定着して金融機関にリスケジュールや資金供給への理解が浸透したと判断し、報告休止をきめましたが、中小企業への対応や経済状況の急変などで資金ニーズが必要となる必要性は引き続き注視していくとしています。
中小企業企業金融円滑化法

金融庁、東日本大震災でさらに金融機関へ同様の対応を要請

リスケジュールの実施状況の報告は、平成21年12月の中小企業金融円滑化法の施行に伴い開始され、中小企業の要請に原則、応じるように報告と共に実質義務化されました。
本来は、平成25年3月に同法は終了する予定でしたが、平成23年3月には東日本大震災による中小企業の困惑を考慮し、金融庁は、その後も金融機関に報告を要請していました。
金融庁では、平成30年度より報告頻度を年2回から1回に縮小し、金融機関の報告作業の簡素化を進めていましたが、金融機関からは「作業軽減には必ずしも繋がってない」との声も多く、廃止ではなく休止を決めました。

中小企業企業金融円滑化法の効果、倒産は法案終了後も減少

中小企業企業金融円滑化法東京商工リサーチによると、平成20年9月のリーマン・ショックから中小企業金融円滑化法施行までの企業倒産件数は、月間1,321件でしたが、平成21年12月、同法施行後には1,052件に減少し、同法終了後には企業倒産件数が増加することが考えられましたが、逆に748件と1,000件を割る推移が続きました。
この倒産の減少については、金融機関では「事実上、強制力のある報告が続いたため」としており今後、金融機関のリスケジュールへの取り組み姿勢次第では倒産増加の懸念も出てきています。

本来は「不良債権」扱いが「正常再建」へ

中小企業金融円滑化法が平成21年12月に施行され10年目に入り、23年3月末法案終了後もリスケジュールした企業は金融機関では「不良債権」でなく「正常債権」と区分されています。
同法により、中小企業の資金繰りなど温存・改善させたという実績の一方、再建が進まず金融の新陳代謝を妨げたとの批判も聞かれます。
金融庁の中小企業金融円滑化法リスケ実施状況の公表中止は、中小企業経営者にとっても、住宅ローン利用者にとっても動向が分からず不安となる可能性も出てきています。


[2019.3.12更新]

     

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